蛍光光度計

蛍光光度計について

蛍光光度計とは、試料に光を当てその結果生じる蛍光を測定するための特別な装置です。この装置は、特に化学分析や生物学的研究において重要な役割を果たします。蛍光光度計は、分光光度計の一種であり、光（励起光）が試料に照射された際に放出される蛍光の強さを定量的に把握することが可能です。

構成要素

蛍光光度計は、主に以下の主要な部品から構成されています。

光源

蛍光光度計の基本的な部品である光源は、試料に直接光を照射する役割を持っています。一般的に、キセノンランプが用いられることが多いですが、水銀ランプやアルカリハライドランプなどの他の種類の光源も利用されることがあります。これらの光源は、高い輝度を持っており、特定の波長の光を供給することができます。

回折格子

回折格子は、異なる波長の光を分離するためのデバイスであり、蛍光光度計でも重要な役割を果たします。励起光に対しての回折格子と、放出される蛍光に対しての回折格子の二つが存在します。この二つの回折格子を使うことで、波長を特定し、計測することが可能になります。具体的には、励起光の波長をスキャンして得られるスペクトルを「励起スペクトル」、蛍光の波長をスキャンして得られるスペクトルを「蛍光スペクトル」と呼びます。

検出器

蛍光を定量化するための検出器として、光電子増倍管が広く使用されます。この検出器は、光信号を電気信号に変換することで、高度な感度を持ち、微弱な蛍光信号でも検出することが可能です。

チョッパー

蛍光光度計では、チョッパーという装置も使用されます。これは、光が照射された後に一定時間光を遮断することができるデバイスです。これにより、燐光を測定する際のノイズを減少させることができます。

測定に向けた準備

測定対象が蛍光性物質である場合（例：ビタミンAやポルフィリン）、特別な準備は必要ありませんが、蛍光性がない物質の場合は、それに蛍光ラベルをつける必要があります。蛍光ラベル化法を用いることで、通常の物質を蛍光性に変換し、測定を可能にします。

関連項目

蛍光光度計の理解を深めるために、いくつかの関連項目も知っておくと良いでしょう。ランベルト・ベールの法則や、量子収率、ラマン散乱光、緑色蛍光タンパク質（GFP）などは、蛍光光度計の原理や応用には欠かせない知識になります。

これらの要素を組み合わせることで、蛍光光度計は多様な分野で非常に役立つ測定器としての機能を果たしているのです。

もう一度検索