蛭子座

蛭子座について

蛭子座（えびすざ）は、岐阜県中津川市の蛭川にある芝居小屋で、公民館としての機能も備えています。この施設は地元の文化と伝統を受け継ぐ場として重要な役割を果たしており、「蛭川公民館」としても知られています。また、中津川市からは有形民俗文化財として指定されています。

毎年10月の第3日曜日には、歌舞伎保存会による定期公演が行われるほか、文化祭や芸能祭、さらに軽スポーツイベントなどに利用されています。地域の人々が集まるこの場所は、地元の文化を支える重要な拠点となっています。

歴史

蛭子座の歴史は、江戸時代から明治時代に遡ります。当時、美濃国や飛騨国では地元の人々による地芝居が広まり、多くの芝居小屋が立てられました。蛭子座もその一つで、東濃地域特有の文化を今に伝えています。特に中津川市や恵那市では、地芝居の活動が盛んであり、蛭子座はその象徴的な施設として現在も利用されています。

年表

• - 1901年（明治34年） - 蛭子座が竣工。
• - 1943年（昭和18年）～1945年（昭和20年） - 太平洋戦争中に軍需工場として使用。
• - 1949年（昭和24年） - 現在の場所に移転し、一部は当時の資材を再利用。
• - 1969年（昭和44年） - 歌舞伎公演が一時休止。
• - 1991年（平成3年） - 蛭川村歌舞伎保存会が設立され、公演が再開。
• - 2006年（平成18年） - 中津川市指定有形民俗文化財に認定。
• - 2007年（平成19年）～2008年（平成20年） - 大規模な改修工事が実施。
• - 2009年（平成21年） - 改修工事が完了し、杮落としも行われました。

建築

蛭子座は木造の2階建てで、一部は3階建ての構造を持っています。竣工当初の延床面積は1,648.62平方メートルで、現在は1,580平方メートルとなっています。収容人数は560名で、名古屋市にある御園座を参考に設計されました。建築当初の資材を一部再利用し、1949年に移転後もその歴史的な価値を残しています。

2009年には大改修工事が完了し、耐震補強やバリアフリー化が進められました。また、空調設備も整備され、快適な観覧環境が提供されています。改修後も蛭子座の歌舞伎小屋としての伝統的なスタイル（花道や格天井など）は維持されています。

岐阜県の芝居小屋

岐阜県は地芝居の文化が盛んな地域であり、江戸時代から昭和時代にかけて建設された多くの芝居小屋が残っています。その中でも蛭子座は、地域の文化を象徴する重要な存在です。他にも、鳳凰座、白雲座、黒川の東座などの芝居小屋が岐阜県内には存在し、それぞれが地域の伝統を支えてきました。

蛭子座は今後も地域文化の振興に寄与し続けることでしょう。

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