蟻地獄

蟻地獄とは

蟻地獄（ありじごく）という言葉は、様々な意味を持っています。

ウスバカゲロウの幼虫の異名
板倉俊之（インパルス）の小説のタイトル
つげ義春の漫画のタイトル

本記事では、上記3つの蟻地獄について解説します。

ウスバカゲロウの幼虫

ウスバカゲロウの幼虫は、地中にすり鉢状の巣を作り、アリなどの昆虫が落ちてくるのを待ち構えます。落ちてきた獲物を捕食する様子が、アリを地獄に落とすように見えることから「蟻地獄」と呼ばれるようになりました。

幼虫は強力な顎を持っており、一度捕らえた獲物は逃しません。巣の底でじっと待ち構え、獲物が近づくと砂をかけて動きを封じることもあります。成虫になると、幼虫の頃の獰猛さからは想像できないほど優雅な姿になります。

板倉俊之の小説『蟻地獄』

2012年に発表された板倉俊之（インパルス）の小説『蟻地獄』は、緻密な心理描写と予測不能な展開が魅力の作品です。小説は2015年に漫画化、2020年には舞台化もされています。

あらすじ

主人公は、ある日突然、見覚えのない場所で目を覚まします。そこは、まるで蟻地獄のような、逃げ出すことのできない閉鎖された空間でした。彼は、そこで出会う人々との関わりの中で、自身の過去と向き合い、脱出を試みます。しかし、脱出の道は困難を極め、彼は次第に精神的に追い詰められていきます。

作品の特徴

人間の心の闇を描いた重厚なストーリー
先の読めない展開
登場人物の葛藤や苦悩

つげ義春の漫画『蟻地獄』

1960年4月に発表されたつげ義春の漫画『蟻地獄』は、作者の初期の代表作の一つです。原題は『灼熱の太陽の下に』でしたが、1967年に大幅な加筆修正を行い、タイトルを『蟻地獄』と改題して少年画報社の『別冊少年キング』に掲載されました。

あらすじ

ある男が、旅先で不思議な体験をします。彼は、砂地を歩いているうちに、蟻地獄のような場所へと迷い込みます。そこは、現実と幻想が入り混じったような、異質な空間でした。彼は、そこで出会う人々との交流を通して、自身の内面を見つめ直していきます。

作品の特徴

独特な世界観と、不条理な展開
人間の心の奥底にある不安や孤独を描いた作品
* つげ義春独特の、淡々とした語り口

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