蠣崎城

蠣崎城（錦帯城）

蠣崎城は、現在の青森県むつ市川内町蛎崎に位置していた日本の城です。別名として錦帯城とも呼ばれていました。この城は、男川の河口右岸、殿崎の北に位置し、陸奥湾の出入口を監視する重要な役割を担っていました。

概要

蠣崎城は、港湾施設や居館、寺社などが設けられた水際から少し離れた小高い丘に築かれました。特徴的な構造として、山と平地の中間部に東側と西側にそれぞれ居住区間が設けられています。現在は、旧蠣崎小学校の敷地を含む一帯が城跡となっています。

歴史

蠣崎城は中世の城であり、建武元年（1334年）に南部師行の蠣崎目代として派遣された武田修理大夫の居館として利用され、以後120年間にわたり武田氏がこの地を治めました。武田氏の5代目である蔵人信純の時代に蠣崎氏を名乗るようになったと伝えられています（東北太平記）。

宝徳3年（1451年）には、蠣崎蔵人によって城の拡張工事が行われ、別名である錦帯城の名で呼ばれるようになりました。しかし、蠣崎の乱によって13代根城南部氏政経の追討を受け、康正3年（1457年）に落城。その後は、南部氏の一族である新田盛政が城代として配置され、南部氏の領地となりました。

城の特徴

立地: 陸奥湾の出入口を監視する要衝に位置し、水運を掌握する上で重要な役割を果たしていました。
構造: 山と平地の中間部に居住区間を設けることで、防御性と生活空間を両立させていました。

現在の状況

現在、蠣崎城跡は旧蠣崎小学校の敷地を含む一帯となっており、往時の面影を偲ぶことができます。訪れる際には、歴史的な背景を理解し、静かに見学することが大切です。

参考資料

川内町史編さん委員会『川内町史 原始・古代 中世 近世 編』青森県下北郡川内町（現むつ市）、2005年3月13日
「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 2 青森県』角川書店、1985年12月1日。ISBN 4-04-001020-5
（有）平凡社地方資料センター『日本歴史地名大系 第2巻 青森県の地名』平凡社、2002年6月。ISBN 4-582-91021-1
岩手放送『新版 岩手百科事典』岩手放送株式会社、1988年10月15日

関連項目

蠣崎氏

外部リンク

むつ市 > 教育・文化 > 文化財 > 文化財調査報告書等 > 第34集 むつ市文化財調査報告 > 蛎崎城跡 1
* むつ市 > 教育・文化 > 文化財 > 文化財調査報告書等 > 第34集 むつ市文化財調査報告 > 蛎崎城跡 2

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