血圧計

血圧計について

血圧計は、血圧を測定するための医療機器で、健康管理や病気の診断に欠かせないツールです。人間の血圧は、心理状態や健康に応じて変動するため、定期的な測定が推奨されています。特に、医療施設での測定結果が家庭での測定結果と異なることがしばしばあります。この現象は「白衣高血圧」や「仮面高血圧」と呼ばれており、血圧の24時間モニタリングが効果的です。

血圧計の歴史

血圧の存在は古代から知られており、初の測定は1727年にイギリスの医師スティーヴン・ヘールズによって行われました。その後、1828年にはフランスの医師ジャン・ポアズイユが、カテーテルを使って血圧を測ります。1876年にはドイツの医師ザムエル・フォン・バッシュが非侵襲的な測定装置を設計し、その後1896年にイタリアの医師シピオーネ・リヴァロッチが現代の水銀血圧計を発明しました。

1905年にはコロトコフ音が発見され、聴診器と組み合わせた測定方法が確立されました。日本では1960年代から非侵襲式の血圧計の開発が進められましたが、当時は高価であったため普及が進みませんでした。1970年代には音波を用いた血圧計も登場しましたが、精度の問題から広まりませんでした。1980年代には指先で測定できる血圧計が登場しましたが、これも精度の低さから衰退しました。

血圧計の種類

血圧計は大きく分けて、直接法と間接法に分類されます。直接法は侵襲的な測定方法で、通常は手術室や集中治療室で使われます。一方、間接法は日常的に使用される方式で、病院や家庭で広く利用されています。間接法には手動式と自動式の2タイプがあります。日本の工業規格（JIS）では、血圧計が計測する方法について詳細な基準が設けられています。

血圧計の構造

一般的な間接法の血圧計は、カフと表示部から構成されます。カフは腕に装着し、血圧を測定するために腕の動脈を圧迫します。表示部には、水銀柱やアネロイド圧力計が用いられ、血圧を読み取ります。血圧は通常、mmHgで表示されることが特徴です。

測定方法

血圧測定には、まず適切なカフを選び、上腕に巻きつけます。次に聴診器を動脈の位置に当て、カフ内の圧を徐々に上げていき、コロトコフ音を聴き取ります。この音が初めて聞こえる点で最高血圧を読み取り、音が消える点で最低[[血圧]]を読み取ります。測定は通常、2回行い、その平均を取ることが推奨されます。また、両腕の血圧を測定することで、心臓病リスクを評価します。

自動血圧計

最近の自動血圧計は、家庭用や病院の待合室で使われることが多く、カフ内に音響センサーを設置して自動的に測定します。これにより測定者の主観が影響することなく、精度が向上しています。

終わりに

血圧計は、健康管理において重要な役割を果たします。医療機関では依然として手動式の測定が基本ですが、自動血圧計も次第に主流となりつつあります。適切な使用法を知り、正確な測定を心がけることが大切です。

もう一度検索