血脇守之助

血脇守之助：日本の近代歯科医療を築いた先駆者

血脇守之助（ちわき もりのすけ）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の歯科医師です。東京歯科大学の創立者の一人であり、日本[[歯科医師会]]の会長も務めました。近代歯科医療制度の確立に大きく貢献した人物として知られています。また、細菌学者である野口英世のパトロンとしても有名です。

生い立ちと教育

1870年、現在の千葉県我孫子市に生まれた血脇守之助は、幼少期に母親を亡くし、祖父母に育てられました。小学校卒業後、叔父に連れられて上京。慶應義塾をはじめとする様々な学校で学び、8年間におよぶ東京遊学で幅広い知識を習得しました。この間、柔道家の嘉納治五郎の門下にもなっています。

18歳で血脇家に入り、その姓を名乗るようになりました。その後、新聞社勤務や英語教師を経て、22歳の時に歯科医師の道を志します。

歯科医師としての活動

1894年、高山歯科医学院に入学した血脇守之助は、翌年歯科医師免許を取得。同学院の講師兼幹事に就任しました。1897年には、友人の書生だった野口英世が上京し、血脇を頼ってきます。血脇は野口の才能を認め、高山歯科医学院の院長に掛け合い、野口の給料を上げました。さらに、野口が医学を学ぶための資金援助も行い、野口の生涯に大きな影響を与えました。

1899年には、中国へ渡り歯科診療を行いました。帰国後、台湾への渡航を希望しましたが、周囲の慰留により断念。その後、歯科医療の発展に尽力することになります。

1901年、高山歯科医学院を継承する形で東京歯科医学院を設立。現在の東京歯科大学の前身です。同年に血脇歯科診療所を開設すると、多くの若者が集まり、人材育成にも力を注ぎました。

日本歯科医療の発展への貢献

血脇守之助は、東京歯科医学院の門下生を海外に留学させ、学術研究の振興を図りました。また、日本歯科医学会や日本[[歯科医師会]]の会長を務め、歯科医療制度の確立と発展に尽力しました。特に、日本[[歯科医師会]]会長としては、21年もの長きにわたり、歯科界の運営を主導しました。

1922年には、欧米を視察し、最新の歯科医療を学びました。アメリカでは、野口英世と再会し、旧交を温めました。野口は血脇の滞在中、最大限の歓待をし、かつての恩義に報いました。

晩年

1943年、東京歯科医学専門学校（東京歯科大学の前身）の校長を退任。1947年、肺炎のため77歳で亡くなりました。

血脇守之助は、日本の近代歯科医療の礎を築いただけでなく、野口英世という偉大な科学者の才能を育んだ人物として、後世に語り継がれています。

著書

『高山歯科医学院ノ過去及現在ノ状況』（1895年）
『米国に於ける歯科医学教育』（1927年）

関連人物

野口英世
高山紀齋
奥村鶴吉
石塚三郎

関連情報

血脇守之助 - コトバンク
血脇守之助ホームページ - 東京歯科大学
* 血脇守之助(ちわきもりのすけ)　～野口英世の育ての親～ - 一般社団法人我孫子市歯科医師会

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