血脈相承 (日蓮正宗)

日蓮正宗の血脈相承について

日蓮正宗における血脈相承（けちみゃくそうじょう）は、宗の創始者である日蓮が、自らの教えや本門戒壇の大御本尊といった仏法の核心を第2祖日興に譲ったことを表しています。この相承は、1282年（弘安5年）に行われた二箇相承に基づいており、日蓮から直接受け継がれたものとされています。

日蓮正宗では、日興が唯一の相承者として位置付けられます。そして、この相承の流れは、歴代の法主により継承され、現在の法主第68世日如に至るまで続いています。このような連綿とした伝承体系を持つことで、日蓮正宗の教義やその正統性が強調されるのです。さらに、法主によって特定の本尊に関する権利が保証され、信仰の中核が形成されています。

一方で、現代の創価学会は「唯授一人の血脈相承」という考え方に異議を唱えています。彼らは、相承が断絶したり、汚れたものとして捉えるなど、その正当性を否定しています。この立場は、日蓮正宗からの分派としての立場を強調し、独自の解釈や信仰の形を持つことを意味します。

血脈相承の根拠

血脈相承は、日蓮正宗の教えにおいて非常に重要な役割を果たしており、その根拠は多くの文献に記されています。特に『本因妙抄』という日蓮の著作において、以下の旨が記されています。

「血脈並びに本尊の大事は日蓮嫡々座主伝法の書、塔中相承の稟承唯授一人の血脈なり。相構へ相構へ、秘すべし伝ふべし」

この言葉は、相承の重要性を示しており、秘密の教えとして大切に伝えられていることを強調しています。日蓮正宗の信者にとって、こうした教えは信仰の根拠となり、歴史的な重みを持ったものとされています。

参考文献

1. 折伏教本編纂委員会 編『創価学会員への折伏教本』（第6版）大日蓮出版、2004年。
2. 宗旨建立750年慶祝記念出版委員会 編『日蓮正宗入門』阿部日顕(監修)（第2版）、大石寺、2002年。
3. 日蓮 著、平成新編日蓮大聖人御書編纂会 編『本因妙抄』、阿部日顕(監修)、1994年。
4. 日蓮宗事典刊行委員会 編『日蓮宗事典』、日蓮宗宗務院、1981年。
5. 日蓮正宗宗務院『日蓮正宗要義』（改訂）、1999年。

これらの文献は、日蓮正宗の信仰や教義を理解する上で貴重な資料となります。血脈相承の理解を深めるためには、これらの情報を元にして自己の信仰を深めていくことが求められます。

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