行政院新聞局

行政院新聞局（ぎょうせいいんしんぶんきょく、Government Information Office, ROC）は、かつて中華民国（台湾）の行政院に属していた行政機関です。その主な役割は、国内における言論の管理と政府広報活動でした。具体的には、国内外に向けた情報発信、メディアの監督、そして政府の政策や活動を広く国民に伝えることを目的としていました。

日本語の広報活動においては、週刊の広報誌「台湾週報」を発行し、またウェブサイト「Taiwan Today」を運営していました。「Taiwan Today」は、台湾の文化、社会、経済、政治など多岐にわたる情報を日本語で提供し、日本と台湾の相互理解を深める役割を担っていました。

特に重要な出来事として、2012年1月には日本経済新聞デジタルメディアとの提携が挙げられます。これにより、「Taiwan Today」のコンテンツが日経テレコン21へ提供されることになり、より多くの日本の読者が台湾に関する情報に触れる機会が増えました。

しかし、2012年5月、行政院の省庁再編に伴い、行政院新聞局は廃止されることになりました。新聞局が担っていた業務は、それぞれ異なる機関に引き継がれることになりました。国際広報業務、特に「Taiwan Today」に関連する活動は外交部に移管され、メディアに関する業務は新設された文化部が担当することになりました。また、国内広報業務は行政院の直轄となりました。

以下に、行政院新聞局の沿革をまとめます。

1947年5月2日 - 南京で国民政府によって設立。
1949年12月7日 - 国共内戦により台北に移転。
1951年5月 - 英語版広報誌『Free China Review』創刊。
1959年7月 - 日本語広報誌『中華週報』創刊。
1964年5月 - 英語広報誌『Free China Weekly』創刊。
1984年1月 - 『Free China Weekly』を『Free China Journal』に改称。
2000年1月 - 『Free China Journal』を『Taipei Journal』に改称。
2000年4月 - 『Free China Review』を『Taipei Review』に改称。
2001年1月 - 『中華週報』を『台北週報』に改称。
2003年3月 - 『Taipei Review』を『Taiwan Review』に改称。
2003年5月 - 『Taipei Journal』を『Taiwan Journal』に改称。
2004年1月 - 『台北週報』を『台湾週報』に改称。
2009年6月 - ウェブサイト「Taiwan Today」英語版を開設。
2011年5月 - 楊永明新聞局長就任（最後の局長）。
2011年8月 - ウェブサイト「Taiwan Today」日本語版を開設。
2012年1月 - ウェブサイト「台湾ごちそうナビ」（台湾美食文化網）六か国語版を開設。
2012年5月 - 省庁再編により廃止。

この沿革からもわかるように、行政院新聞局は時代とともに変化し、その活動内容も進化してきました。特に、広報誌の名称変更は、台湾の国際的な位置づけや自己認識の変化を反映していると言えるでしょう。また、ウェブサイト「Taiwan Today」の開設は、インターネット時代における情報発信の重要性を認識した上で、より迅速かつ多様な情報提供を目指した結果と言えます。

行政院新聞局の廃止は、台湾の行政組織改革の一環であり、政府機能の効率化と専門化を目的としたものでした。しかし、その活動が、中華民国（台湾）の広報活動において重要な役割を果たしていたことは疑いようがありません。

関連情報として、以下の項目もご参照ください。

中華民国の政治
台湾国際放送
チャイニーズタイペイ
中華民国の在外機構の一覧

外部リンク

中華民国行政院新聞局ホームページ（中国語、英語）
Taiwan Today日本語版
台湾ごちそうナビ（台湾美食文化網）

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