行方尚史

行方 尚史について

行方尚史（なめかたひさし）は1973年12月30日生まれの将棋棋士で、棋士番号208。青森県弘前市出身であり、著名な棋士である大山康晴十五世名人の門下生です。彼は日本将棋連盟の非常勤理事に就任しており、将棋界において重要なポジションを占めています。

幼少期と将棋の道の始まり

行方は、小学6年生の時に出場した第10回小学生将棋名人戦で3位を獲得し、将棋界に足を踏み入れました。それ以来、彼は将棋修行のために小学校を卒業後すぐに12歳で上京し、中学生時代には奨励会員としての道を歩み始めました。しかし、当初は周囲の理解が得られず、多くの苦い経験をしました。その影響からか、「中学中退がかっこいい」と豪語する時期もあったようです。中学卒業後は都立高校へ進学しましたが、たった3ヶ月で中退しました。

1993年に19歳で四段に昇進し、プロ棋士としての道を歩むことになります。この時、彼が羽生善治に勝つことを夢見て「いい女性を抱きたい」と発言したことは、マスコミで大きな話題となりました。後に彼は、その発言が意図せずマスコミに煽られる形でのものであったと振り返っています。

プロデビューと成功

プロ入り後、行方は第7期竜王ランキング戦6組に初参加し、この大会で優勝を果たしました。その後も本戦トーナメントでは数々の強豪を打ち破り、最終的に羽生との挑戦者決定三番勝負に進出しますが、残念ながら0-2で敗退します。しかし、この活躍が将棋界での彼の存在を知らしめる一歩となりました。

その後も彼は、第8期竜王ランキング戦5組で優勝し、五段へ昇進しました。この昇段は、竜王ランキング戦において2回連続で優勝した初のケースであったため、後の多くの棋士にも影響を与えました。その後の人生では、数々のテレビ棋戦や順位戦で活躍し続け、プロ棋士としての地位を確立していきます。

鮮烈な棋風と個性

行方の棋風は居飛車党であり、粘り強い戦法が特徴です。彼は将棋に関する多くの選手と対局し、しばしば目立った成績を収めています。将棋だけでなく、彼には独特な個性もあり、特に音楽への情熱がうかがえます。ロックンロールが好きで、「ミッシェル」や「レディオヘッド」といったアーティストのファンです。若い頃はミュージシャンになりたかったとまで語るほどです。

また、彼はファッションにも気を使い、特にポール・スミスのような品を好んでまとうスタイルが特徴的です。そのため、棋士としては珍しくファッションセンスがあることで知られています。さらに、行方は自らの拘りや性格について正直に話すことが多く、彼の独特な魅力を持った人物像が周囲から愛されています。女流棋士の清水市代は、彼のことを「なめちゃん」と親しげに呼ぶことでも知られています。

最近の活動と個人的なエピソード

行方は将棋界での成功に加え、数々の苦労も経験してきました。彼は遅刻癖があり、時には対局開始に遅れることもありました。また、対局中に不本意な結果になると、拳で鞄を殴る姿も見られます。

結婚は2011年12月に行い、2015年からはメガネをかけて対局するようになりましたが、名人戦ではその初戦に敗れ、以降はメガネなしで対局しています。彼の人生における数々の成功や失敗は、将棋界だけでなく、多くの人々に感動と共感をもたらしてき們す。

行方尚史は、将棋界における独自の存在感と、個性的な人生を歩んでいる棋士であり、今後の活躍にも大いに期待が寄せられています。

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