術中迅速細胞診断

術中迅速細胞診断について

術中迅速細胞診断（じゅつちゅうじんそくさいぼうしんだん）は、手術中に採取した細胞からがんの有無を判断するための重要な手法です。これは、術中に迅速に診断を行うことを目的とした診断方法であり、特にがんの病変を確認する際に利用されます。この手法は、患者の手術方針や治療状況を即座に判断するため非常に重要です。

この診断方法では、例えば腹水を採取し、それをスライドガラスに薄く塗り、特別な染色を施して顕微鏡で観察します。がん細胞が確認された場合、通常は「陽性」と評価され、腹膜浸潤や腹膜転移があると判断されることが一般的です。これにより、外科医は即座に対応策を講じることが可能です。

術中迅速細胞診は、通常、細胞診専門医や病理専門医が担当します。専門性が高く、経験を要するこの診断法では医師の判断が求められます。場合によっては、病理医が不在の医療機関では、遠隔での病理診断を通じて情報を得ることもあります。

術中迅速細胞診は、術中迅速病理診断と似ている部分がありますが、そのアプローチや目的は異なります。術中迅速細胞診は細胞を対象とするのに対し、術中迅速病理診断は主に切除材料を凍結し、厚切りにして標本を作成するため、手法自体に違いがあります。細胞診の場合、がん細胞が変性したり、観察が難しい場合があるため、陰性であっても腹膜転移がないとは限らないことに注意が必要です。

この技術は、医療現場において、迅速にかつ適確な判断を行うために欠かせないものとなっており、特にがん治療においてその重要性は増しています。また、2010年4月の診療報酬改定により、術中迅速細胞診は新たに診療報酬の対象となり、その価値が公式に認められることになりました。具体的には「N003-2 術中迅速細胞診（1手術につき） 450点」が規定されています。このことは、外科手術における診断手法を推進する一助となっています。

関連項目

• - 術中迅速病理診断：手術中に迅速に行われる病理学的な評価法。
• - 細胞診断：細胞の状態を調べる診断法。
• - 診療報酬：医療サービスに対する報酬で、診療内容に基づいて決定されます。

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