街 〜運命の交差点〜

街 〜運命の交差点〜

『街 〜運命の交差点〜』（まち うんめいのこうさてん）はチュンソフトによって開発された、サウンドノベル形式のアドベンチャーゲームです。1998年に最初のセガサターン版が発売され、その後1999年にPlayStation版がリリースされました。このゲームは、過去の作品『弟切草』（1992年）や『かまいたちの夜』（1994年）の後継作であり、サウンドノベルシリーズの第3弾です。制作には長坂秀佳が原作・監修として関わり、麻野一哉が総監督を務めました。

ゲームの概要

本作の舞台は渋谷で、プレイヤーは8人の異なる主人公の視点で物語を進行させます。各主人公はお互いに面識はありませんが、彼らの行動が互いに影響を及ぼし合います。このシステムにより、選択によって物語が大きく変わるため、プレイヤーは最終的に主人公たちをハッピーエンドに導くことが目標となります。

ゲームには実写が利用されており、当時は無名だった俳優たちが出演しています。静止画の枚数は6000〜7000枚に及び、約400人の登場人物が登場します。これにより、物語は非常に複雑かつ多様な展開を見せ、プレイヤーを引き込みます。

特徴的なシステム

本作は、いくつかの革新的なシステムを取り入れています。

• - ザッピング( ZAP ) : プレイヤーは特定の時間に別の主人公のシナリオに飛び移ることができ、これにより異なる視点からストーリーを追うことができます。
• - マルチフラグメント : 特定の行動が他の主人公に影響を与える仕組みです。例えば、ある主人公が取った行動によって別の主人公がバッドエンドに陥ることもあります。この深い人間関係が、ストーリーにさらなる緊張感を与えています。

さらに、本文中には色の違う文字列として登場する「TIP」があり、これは登場人物や地点、事象に関する解説を提供します。このシステムにより、プレイヤーは逸脱することなくスムースに物語を進められます。

ストーリーの流れ

ゲームの物語は、10月11日から15日までの5日間にわたり展開されます。各日ごとに各主人公のシナリオを進めていく形式です。主人公たちの異なる視点からの物語が徐々に明らかになり、最終的に繋がる形となります。

主な登場人物

• - 雨宮 桂馬: 渋谷中央署の刑事で、『オタク刑事走る！』の主人公。
• - 牛尾 政美: 元ヤクザで、プロポーズを決意した場面が物語の中心となっています。
• - 馬部 甚太郎: 役者としての苦悩を抱えた主人公。
• - 篠田 正志: 就職を控えた大学生が、脅迫によってその運命が左右されます。
• - 細井 美子: ダイエットに挑戦する女子高校生。

これらのキャラクターたちはそれぞれ独自のストーリーを持っており、交錯することで全体としての物語が展開されます。

評価と影響

『街 〜運命の交差点〜』は第3回CESA大賞のシナリオ部門賞を受賞し、ゲーム誌『ファミ通』ではゴールド殿堂入りを果たしました。その評価は高く、シナリオの魅力や多様性が賞賛されています。ゲームの独特なシステムは、多くのプレイヤーにとって新鮮であり印象強い体験を提供しました。

その後も多くのメディアに影響を与え、2008年には『428 〜封鎖された渋谷で〜』が発売され、両作品の世界観が繋がっていることが示唆されました。結局のところ、『街〜運命の交差点〜』は、広範囲にわたる物語と実験的なゲームプレイが融合した傑作として多くのファンに愛され続けています。

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