衣浦トンネル

衣浦トンネルについて

衣浦トンネル（きぬうらトンネル）は、愛知県の三河湾に位置し、半田市の中央ふ頭と碧南市の東埠頭を結ぶ沈埋式の海底トンネルです。このトンネルは、愛知県道265号碧南半田常滑線の一部を構成する有料道路であり、全長は1.7キロメートルに及びます。トンネルの管理は愛知県道路公社が行っており、一般の車両が通行できますが、危険物を積載した車両は通行できないため、その場合は衣浦大橋などを経由する必要があります。

また、衣浦トンネルには、自動車や二輪車、原付自転車用に設けられたトンネルに加えて、歩行者や自転車のための無料の通行路も設けられています。特に全区間でAMラジオが利用できるため、運転中の情報収集などにも便利です。

日本初の沈埋式海底トンネル

衣浦トンネルは、1964年に開通した東京都の羽田トンネルや1944年に開通した大阪の安治川トンネルとは異なり、日本国内初の港湾を横断する沈埋式海底トンネルとして、その重要性が際立っています。このトンネルの開通により、知多半島と碧海地区を結ぶ交通機関が大幅に向上しました。また、衣浦大橋（1956年開通）という別の経路も存在しますが、衣浦トンネルはより直線的で便利な選択肢となっています。

衣浦トンネルの歴史

衣浦トンネルは1973年8月1日に開通し、日本初の港湾海底トンネルとしての歴史が始まりました。その後、1995年には愛知県道465号半田碧南線から現在の愛知県道265号に路線名が変更されました。交通量の増加に伴い、1996年から新衣浦トンネルの建設が始まり、2003年には新トンネルが4車線での供用を開始しました。

近年では、2016年に愛知県道路公社と民間事業者間で公共施設の運営権に関する契約が結ばれ、同年10月からは新たに有料道路の運営が開始されました。通行料金は、普通車が260円、中型車310円、大型車420円、特大車730円、軽自動車210円、軽車両30円となっています。ただし、ETCやクレジットカードには対応していないため、支払い方法は現金または回数券のみです。

保安基準

衣浦トンネルには、保安上の理由から通行できない車両の基準があります。具体的には、総重量は20トン、軸重は10トン、幅は2.5メートル、高さは4.1メートル、長さは12メートルを超える車両は通行不可能です。これにより、安全な交通の確保とトンネルの保護が図られています。

まとめ

衣浦トンネルは、愛知県の交通網において重要な役割を担っています。その海底トンネルとしての特性や歴史、交通の利便性は、多くの人々にとって欠かせない存在です。今後もその機能を維持しつつ、地域の発展に貢献し続けることでしょう。

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