衣浦大橋

衣浦大橋：知多半島と三河地方を結ぶ海上ブリッジ

衣浦大橋は、愛知県高浜市碧海町から半田市州の崎町へと、衣浦湾を跨いで架かる国道247号の道路橋です。知多半島と三河地方の碧海地域を結ぶ重要な役割を担っています。

概要

衣浦大橋は、上り線（西行き、南側）と下り線（東行き、北側）の2つの橋で構成されています。周辺地域は埋め立てや干拓に適した土地が多く、東側の碧南市には農産地、西側の半田市には観光地や漁港が位置し、両岸には工業地帯が広がっています。そのため、地域間の往来が多いと予想され、1948年（昭和23年）から架橋に向けた調査が開始されました。

1952年（昭和27年）に道路整備特別措置法に基づき、愛知県初の一般有料道路として濃尾大橋、愛岐道路と共に建設されました。1956年（昭和31年）1月27日に開通した旧橋は、日本初の海上橋として知られています。これにより、従来は北側の刈谷橋を経由していた約14kmの迂回が解消されました。

1978年（昭和53年）2月には新橋が完成し、下り線（旧橋）は半田から高浜方面へ、上り線（新橋）は高浜から半田方面への道路として分離され、それぞれ2車線となりました。開通当時の旧橋は、中央の橋脚を境に東西で形状が異なるトラスを持つという特徴的な外観でしたが、新橋開通後に埋め立てによる海岸線の変化に合わせて東側を短縮する工事が行われ、東側のトラスはごくわずかな長さしか残っていません。

また、衣浦大橋の南部に位置する碧南市には、同じく知多半島と碧海地域を結ぶ有料道路として衣浦トンネル（1973年開通）があります。

歴史

1950年（昭和25年）：取付道路着工
1952年（昭和27年）10月：道路整備特別措置法を適用し、工費を借り入れて着工
1956年（昭和31年）1月27日：衣浦大橋（北側）が竣工
1956年（昭和31年）2月1日：料金徴収開始
1968年（昭和43年）4月1日：無料開放
1978年（昭和53年）2月：衣浦大橋（南側）が開通

橋の構造

上り線：6径間鋼床版箱桁、橋長413m、全幅員11m（2車線）
下り線：6径間トラス橋、橋長412m、全幅員8.9m（2車線）

上り線橋の増設

西三河・豊田地区から知多半島への物流における重要な路線である衣浦大橋ですが、2車線のうち1車線が左折専用レーンとなっているため、慢性的な渋滞が発生していました。その解消のため、上り線の下流側に左折専用車線橋（1車線）が増設されることになりました。

2015年（平成27年）度より事業が開始され、2023年（令和5年）3月25日に開通しました。

かつての通行料金（1956年開通当時、片道）

普通自動車（貨物）：250円
普通自動車（乗用）：200円
小型自動車（貨物）：150円
小型自動車（乗用）：150円
軽自動車：50円
原動機付自転車：30円
自転車：10円
徒歩・うば車等：無料

参考文献

道と路がわかる辞典 (初版 ed.). 日本実業出版社. (2001-11-10). ISBN 4-534-03315-X
高浜市やきものの里かわら美術館 編『三州瓦と高浜いま・むかし』（新装版）高浜市やきものの里かわら美術館、2013年3月31日。全国書誌番号:21847112。
第24回参議院建設委員会　会議録

関連項目

無料開放された道路一覧

外部リンク

衣浦大橋に関係する映像作品 - 何れも「愛知県庁・土木」YouTube公式チャンネルより
衣浦大橋　上部工桁架設（台船架設）ダイジェスト
* いちから分かるSFRC舗装工事 ～衣浦大橋の疲労き裂対策を題材に～

もう一度検索