袁金鎧

袁金鎧（えん きんがい）

袁金鎧は、清末から民初にかけて活躍した政治家であり、その後の満州国においても重要な地位を占めました。彼の生涯は、清朝、北京政府奉天派、そして満州国の各時代を通じて多岐にわたります。彼の本名は袁金鎧であり、字は潔珊、号は傭廬です。

奉天派での活動

袁金鎧は、清末の重要な政治的舞台である奉天派に所属し、遼陽警務提調や奉天咨議局副議長などの要職を歴任しました。1913年には、奉天省財政司司長としての任期を開始するとともに、約法会議の議員に選出され、その後1915年に参政院参政に就任します。彼は特に袁世凱の死後、張作霖の奉天派に属し、1916年に奉天督軍署秘書長に就任しました。この時期、彼は黒竜江省督軍署秘書長や中東鉄路の理事、さらに臨時参政院の参政、清史館の編修業務など多岐にわたる職務をこなしました。

張学良による東北統治が始まると、袁金鎧は1929年に東北政務委員会の委員及び東北辺防軍司令長官公署の参議に任命され、1930年には監察院の監察委員や通志館副館長に就任しました。張作霖の下での彼は、王永江の死後、于冲漢とともに文治派の重要人物と見なされましたが、張学良の影響力が強まるにつれて、彼は旧式の政治家として疎外され、次第にその存在感を薄めていきました。

満州国での活動

満州事変が引き起こされた1931年、袁金鎧は関東軍の司令官から奉天地方維持委員会の委員に任命され、誕生した委員会で奉天省の政府機能を模倣することを決定しました。1928年には奉天地方維持委員会の委員長となり、同年末には奉天省政府が設立されると、最高顧問に転任しました。このような変革の中で彼は、満州国が成立した後も重要な役割を果たします。

1932年には参議府の参議に任命され、翌年には立法院の憲法制度調査委員会の委員に選ばれ、その後も政府の各種委員会での役職を歴任しました。1935年には尚書府の大臣に任じられ、帝室大典委員会のメンバーとしても活動し、政治的影響力を保ちました。しかし、1944年には四肢の運動麻痺により大臣を辞任せざるを得なくなり、1947年に故郷の遼陽で他界しました。享年は78歳でした。

著作

袁金鎧は政治家としての活躍だけでなく、著作活動にも力を注いでいました。彼が残した著作には以下のようなものがあります。

• - 1912年: 『張仙舫運使哀輓録』『東渡百一詩』『明倫詩社課存』『中庸講義』『誦詩隨筆』
• - 1930年: 『傭廬寿言』
• - 1934年: 『傭廬文存』
• - 1935年: 『傭廬日記語存』『傭廬経過自述』『甕雲緒語』

彼の多才な活動は、時代を超えて評価されています。袁金鎧の生涯は、中国の近代史における戒めや教訓を示す重要な存在です。

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