王永江

王 永江について

王永江（おう えいこう）は、清末から民初にかけて活躍した政治家、教育者であり、その生涯において多くの重要な役割を果たしました。彼は奉天派に属し、奉天省の長官を務め、また東北大学の初代校長でもあります。名前には字が「岷源」、号は「鉄龕」があります。彼の祖籍は山東省の蓬莱県です。

初期の経歴

王永江は21歳で廩生として士業を始めますが、初めは漢方薬店を経営していました。その後、日本人が創設した南金書院で漢文の教員として教え、教育の道に進むこととなります。1907年には、遼陽地方の団総である袁金鎧の依頼を受け、日本の警察行政について調査を行っています。さらに、遼陽に警務学堂を設立し、警察人員の育成に尽力しました。この功績により、東三省総督の趙爾巽から高い評価を受けています。

奉天派での活動

中華民国が成立した後、王永江は奉天派の重要な政治的役割を果たし、税務部門でさまざまな職務を歴任しました。1915年には奉天省の税務局長を兼任し、その後、清丈局長、屯墾局長などにも昇進します。特に警務分野において、彼は近代的な警察制度の確立に貢献し、緑林勢力との抗争を経て、奉天派の内部浄化に成功しました。この際に湯玉麟との間に激しい対立がありましたが、張作霖が彼の味方をし、王の指導力を支えました。

さらに、財政と税務の改革にも注力し、奉天派の財政状況を改善させることで、軍事と政治の力を強化する結果をもたらしました。そのため、王永江は奉天派内で「文治派」のリーダーとして認識されるようになります。

張作霖との関係

1920年、張作霖が北京政府の政治に介入しようとする中で、王永江は「民力休養」を唱えてこれに反旗を翻しますが、彼の意見は受け入れられませんでした。しかし、1922年の第1次奉直戦争において張が敗北すると、王は奉天省長に任命されます。翌年には東北大学が創設され、彼が初代校長としてその運営に携わることになります。

晩年

晩年においても王永江は張作霖の武断的な政策に対し反対の姿勢を貫いていました。特に1924年には、奉天派が第2次奉直戦争に勝利した後、黄郛内閣の内務総長に就任しますが、その内閣の崩壊に伴い辞職しました。1926年に全ての職を辞した後は故郷に戻り、学術活動を続けることとなります。

彼は詩作や儒教経典の研究、医学に関する著作を残し続けましたが、政治への復帰を望まれてもその要請を拒んでいました。1927年11月1日、生涯を閉じ、享年56歳を迎えました。彼の業績は今なお評価されており、近代中国における重要な人物のひとりとして記憶されています。

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