袋棚

袋棚に関する詳細

袋棚（ふくろだな）は、伝統的な日本の家具で、特に収納に優れた特徴を持つアイテムです。この家具は、主に2枚または4枚の引違戸で構成されており、一般的には襖（ふすま）が使われます。そのため、袋棚は「袋戸棚（ふくろとだな）」とも呼ばれることがあります。バッグのように内部スペースが広がる形をしているため、収納機能が非常に優れているのです。

袋棚はその大きさから、通常は高さが控えめで、横幅または奥行きが豊富にあるのが特徴です。主に日本の伝統的な房の床の間の床脇に、違い棚と組み合わせて設置されることが多いです。また、押入れの上部や仏壇の下部にも設けられ、仏具の収納スポットとしても利用されます。

さらに、袋棚は箪笥などの収納家具に付属していることもよくあります。また、茶席や香席でも使用されることがあり、これらの場においては茶花や茶器の保管、香道具の収納など、テーブルトップの整理に役立っています。特に、利休袋棚（茶席用）や志野袋棚、四季棚（香席用）には特定の機能があります。これらは、茶や香の文化の中で重要な役割を果たしています。

次に、袋棚にはいくつかのバリエーションとして「天袋（てんぶくろ）」と「地袋（じぶくろ）」が存在します。

天袋

天袋は、袋棚の一種であり、天井に近い位置に取り付けられます。これは床の間の床脇棚として使われるだけでなく、押入れの上部に小さな収納スペースを設ける目的でも利用されます。通常、床脇棚としては4枚の引違戸が使われることが多く、押入れに配置される場合は2枚の引違戸が一般的です。ただし、押入れの構造によっては、その引違戸の数が異なる場合もあります。例えば、大広間の構造では押入れが4枚戸であれば、それに合わせて袋戸も4枚設置されることがあります。

地袋

地袋は床の近くに配置される袋棚です。仏壇の下に設けられることが主で、仏具の収納スペースとして非常に重宝されます。仏壇が観音開きの場合、地袋も同じように観音開きの袋戸がよく採用されますが、2枚引違戸や片開戸も見られます。ただし、全日本宗教用具協同組合の指摘によると、地袋は給仕しづらいという理由からあまり設けないほうが良いとされています。また、仏間の上に設置される天袋は、不浄なものを避けるために設けないことが望ましいとされています。

加えて、住宅の2階以上に展開される部屋では、切妻屋根や入母屋の形状を活かして地袋を設けることもあります。これにより、屋根裏の有効利用が実現します。

日本の伝統的な住宅デザインにおいて、袋棚は収納の工夫が多く、実用的な役割を果たしています。現代でもそのデザインは受け継がれ、その価値は高まっています。

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