裏切者の旅

裏切者の旅



「裏切者の旅」は、日本のロックバンド、ダウン・タウン・ブギウギ・バンド1976年(昭和51年)3月5日にリリースした通算6枚目のシングル、およびそのA面に収録された楽曲です。JASRAC(日本音楽著作権協会)への登録名義では「裏切り者の旅」と表記される場合があります。

概要と背景



このシングルは、前年1975年(昭和50年)に発表した「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」の大ヒットによってバンドが広く認知され、人気を不動のものとした後に届けられました。そのサウンドは、1973年(昭和48年)にリリースされたデビュー曲「知らず知らずのうちに」が持っていた、じっくりと聴かせるスローテンポのブルースやバラードといった原点に立ち返ったようなテイストを持っています。

商業的にも成功を収め、オリコンチャートでは最高16位を記録し、合計で21万枚を超えるセールスを記録しました。

シングルのB面には「ア! ソウ」が収録されています。この楽曲もまた多くの人の耳に触れる機会が多くありました。当時TBS系列で放送されていた人気バラエティ番組『カックラキン大放送!!』では、番組のエンディング近くで表示される提供クレジットの背景音楽として使用されていました。さらに、1979年(昭和54年)5月26日に公開された工藤栄一監督の映画『その後の仁義なき戦い』では、挿入歌として効果的に用いられています。この映画は、柳ジョージ&レイニーウッドが劇伴音楽を担当し、根津甚八と共に宇崎竜童が主演した作品です。

「裏切者の旅」は、オリジナル発表の後、様々なアーティストによってカヴァーされています。特筆すべきは、オリジナルと同年の1976年に、平田満がアルバム『愛の狩人』の中で「裏切り者の旅」としてカヴァーしたことです。このバージョンは土持城夫が編曲を手掛けました。その後、日本の歌謡界を代表する歌手である西城秀樹や、演歌歌手の新沼謙治などもこの楽曲をカヴァーしており、ジャンルを超えて歌い継がれる名曲となっています。

収録曲



シングルに収録された楽曲の詳細は以下の通りです。

  • - 裏切者の旅
- 作詞: 阿木燿子
- 作曲: 宇崎竜童
- 編曲: ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
- ストリングス編曲: 河野士洋
- 演奏時間: 3分27秒
- 音楽出版社: フジパシフィック音楽出版

  • - ア! ソウ
- 作詞: 阿木燿子
- 作曲・編曲: ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
- 演奏時間: 3分06秒
- 音楽出版社: フジパシフィック音楽出版

主な収録・関連作品



「裏切者の旅」「ア! ソウ」は、オリジナルシングル盤以外にも、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの多くのアルバムやベスト盤に収録されています。また、前述のカヴァーバージョンもそれぞれのアルバムに収録されています。

- シングル「裏切者の旅」 (1976年3月5日、EXPRESS / 東芝EMI) - 「裏切者の旅」「ア! ソウ」収録
- アルバム『あゝブルース Vol.2』 (1976年12月5日、東芝EMI) - 「裏切者の旅」収録
- アルバム『傑作大全集』 (1977年2月21日、東芝EMI) - 「裏切者の旅」「ア! ソウ」収録
- アルバム『ライブ! バックストリート』 (1979年2月20日、東芝EMI) - 「裏切者の旅」収録
- アルバム『バラード』 (1980年3月5日、東芝EMI) - 「裏切者の旅」収録
- アルバム『夜霧のブルース』 (1980年12月5日、東芝EMI) - 「裏切者の旅」収録
- アルバム『Once Upon a Time in Yokohama』 (再結成記念盤、1987年11月21日、東芝EMI) - 「裏切者の旅」収録
- アルバム『あいつの好きそなブルース』 (1993年4月14日、EMIミュージック・ジャパン) - 「裏切者の旅」収録
- アルバム『蔵出し - ダウン・タウン・ブギウギ・バンド・オフィシャル・ブートレッグ』 (2007年12月19日、テイチク) - 「裏切者の旅」収録

  • - カヴァーバージョンによる収録
- 平田満+シャネル・ファイブ アルバム『愛の狩人』 (1976年キングレコード) - 「裏切り者の旅」(編曲: 土持城夫)収録
- 西城秀樹 アルバム『西城秀樹シングル・コレクション-77の軌跡』 (1999年6月23日、BMG JAPAN) - 「裏切者の旅」(編曲: 丸山恵市)収録
- 新沼謙治 アルバム『新沼謙治特選集 飛行機雲』 (2004年6月23日、コロムビアミュージックエンタテインメント) - 「裏切者の旅」収録

このように、「裏切者の旅」は、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの代表曲として、また多くのアーティストに影響を与えた楽曲として、日本の音楽史にその名を刻んでいます。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。