複信

複信（Duplex）とは

複信とは、電気通信における通信方式の一種で、通信に関わる機器同士が同時に情報を送受信できる方式を指します。これにより、双方向での円滑なコミュニケーションが可能になります。

複信の概要

複信の最も分かりやすい例として、電話での会話が挙げられます。電話では、相手の声を聞きながら自分の声も伝えることができ、これはまさに複信の特性を活かしたものです。一方で、一般的な業務用無線では、一方が送信している間は他方が送信できないため、これは完全な複信とは言えません。このような方式は半複信と呼ばれます。

また、ラジオ放送のように、受信のみで送信を行わない方式は、単信と呼ばれ、複信とは区別されます。複信は、双方向のリアルタイムなコミュニケーションを可能にする重要な技術です。

複信の実現方法

複信を実現する最もシンプルな方法は、送信と受信で別々の通信線路を使用することです。しかし、多くの場合、一つの通信線路を共有して送受信を行う技術が用いられます。例えば、固定[[電話]]回線は2本の線を使用していますが、送信と受信は同じ線路を共有しています。この場合、エコーキャンセラという技術を用いて、エコー（反射波）を打ち消すことで、スムーズな複信を実現しています。

通信方式の種類

電気通信における通信方式は、大きく分けて以下の3つがあります。

1. 単信 (Simplex)：一方向のみの通信方式です。ラジオ放送や、テレビ放送などが該当します。送信側は一方的に情報を送り、受信側はそれを受信するのみで、双方向のやり取りはできません。
2. 半複信 (Half-duplex)：双方向の通信は可能ですが、同時に送受信はできません。トランシーバーのように、送信と受信を切り替えて行う通信方式が該当します。一方が送信中は、もう一方は受信に徹する必要があります。
3. 複信 (Duplex)：双方向の同時通信が可能な方式です。電話や、テレビ会議のように、同時に送受信が可能です。これにより、リアルタイムでスムーズなコミュニケーションが可能になります。複信には、さらに全二重通信と半二重通信があります。

全二重通信（Full Duplex）：双方向で同時に情報を送受信できる通信方式。一般的な電話回線や、インターネット通信などが該当します。
半二重通信（Half Duplex）：双方向の通信は可能だが、同時には行えない通信方式。無線通信などで利用されます。

単一伝送路での全二重通信方式

一つの伝送路で全二重通信を実現する技術は、エコーキャンセラの他にも様々なものが存在します。周波数分割多重や、時分割多重などの技術を組み合わせることで、一つの伝送路を効率的に利用し、双方向同時通信を実現しています。

これらの技術は、通信インフラの効率化に大きく貢献しています。

まとめ

複信は、現代の通信技術において不可欠な要素です。これにより、リアルタイムでの双方向コミュニケーションが可能となり、ビジネスや日常生活において重要な役割を果たしています。様々な技術の進歩により、より高度で効率的な複信方式が開発され続けており、今後の通信技術の発展に大きく貢献することが期待されます。

関連項目

伝送工学
多元接続
多重化
イーサーネット
* イーサネットフロー制御

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