褐色矮星の一覧

褐色矮星は、宇宙に存在する天体の一種で、その質量が恒星と惑星の中間に位置するというユニークな特徴を持っています。核融合反応を持続させるには質量が足りないため、自ら光り輝く恒星の定義からは外れますが、ガス惑星よりもはるかに大きな質量を持ちます。この中間的な性質から、「プラネター」や「ハイパージョビアン」と呼ばれることもあります。

褐色矮星の存在は古くから理論的に予測されていましたが、実際に観測で確認されたのは比較的最近のことです。最初に単独で存在する褐色矮星として発見されたのは、1995年に観測されたTeide 1です。また、同じ1995年には、太陽系外の恒星であるグリーゼ229の周囲を公転する褐色矮星、グリーゼ229Bが見つかり、恒星の伴星としての存在も明らかになりました。さらに、2004年には、初めて惑星を持つ褐色矮星として2M1207が発見され、これらの天体も惑星系を持つ可能性があることが示されました。

褐色矮星の質量は、一般的に木星の約13倍から太陽質量の約8%（恒星の下限質量）の範囲に収まるとされています。この範囲では、重水素の核融合は起こりますが、より効率的な水素の核融合を持続させることはできません。そのため、恒星のように長く安定して輝くことはなく、時間とともに徐々に冷えて暗くなっていきます。

観測によって発見された褐色矮星には、様々なカタログに基づいて固有の記号が付けられます。特に、他の恒星の周りを軌道運動している褐色矮星の場合、その名称の最後にアルファベットの 'b' が付与されることが一般的です。これは、太陽系外惑星の命名規則に準じたものです。

現在までに、少なくとも625個以上の褐色矮星が確認されています。しかし、すべての天体の詳細な性質が明らかになっているわけではありません。中には、当初太陽系外惑星として分類されていたものの、その後の精密な観測によって質量が予想以上に大きいことが判明し、褐色矮星へと再分類された例も存在します。また、観測上の限界から、天体の正確な軌道傾斜角が特定できず、質量について最低質量しか算出されていないケースも少なくありません。例えば、HD 114762 b（推定最低質量11.68木星質量以上）、テーブルさん座π星b（推定最低質量10.312木星質量以上）、NGC 2423-3 b（推定最低質量10.6木星質量以上）などが、軌道傾斜角不明のために最低質量のみが判明している例として挙げられます。

既知の褐色矮星は、恒星の周りを公転する伴星としてのものと、他の天体に束縛されずに単独で宇宙空間を漂っている独立した天体とに大別されます。報告されているデータの中には、親星の周りを回る確実な褐色矮星が40個、不確実なものが7個、そして独立したものが4個含まれています。ただし、これらは発見されている褐色矮星全体のごく一部に過ぎません。

褐色矮星の研究は、恒星がどのように誕生し、惑星がどのように形成されるのかという、天体形成の境界領域を理解する上で非常に重要な手がかりを提供しています。今後の観測技術の進歩により、さらに多くの褐色矮星が発見され、その多様な性質が明らかになることで、宇宙における天体の進化についての理解がより深まっていくことが期待されます。

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