西エクアトリア州

西エクアトリア州の概要

西エクアトリア州は、南スーダンに位置する州の一つで、州都はヤンビオにあります。面積は79,319平方キロメートル、2008年のデータによると約619,029人の人口を有しています。地理的には南側にコンゴ民主共和国、西側に中央アフリカ共和国と接しており、中央エクアトリア州や東エクアトリア州とともにエクアトリア地方を形成しています。

歴史

初期の王国

1880年代にこの地域にはアザンデ人によるグブドゥウェ王国が存在しましたが、後にイギリスによる支配が始まりました。これにより地域の統治が変わり、近代的な影響を受けることとなります。

内戦の影響

南部での反乱は、1955年に第一次スーダン内戦を引き起こしました。1956年にはスーダン領に編入され、西エクアトリア州では北部のアラブ人支配に対抗して抵抗運動が活発化しました。この頃、武装組織アニャニャの影響が強まります。

エボラウイルスの発生

1976年には、ヌザラという町でエボラ出血熱の最初の確認例が発生しました。その発端となったのは郡の倉庫番の男性で、急激な高熱と出血が見られました。この感染は地域で広がり、284人が感染、151人が死亡するという悲劇を引き起こしました。エボラウイルスという名称は、その患者が出身する地域の近くのエボラ川に由来しています。

第二次スーダン内戦

1983年から2005年にかけて、第二次スーダン内戦が勃発し、西エクアトリア州もまたアニャニャIIやスーダン人民解放軍（SPLA）といった武装組織の影響を受けることになりました。この内戦は2005年に和平条約が成立するまで続きましたが、平和が訪れた後も一部の反政府勢力は未だに活動を続けています。

LRA掃討作戦

ウガンダの神の抵抗軍（LRA）による影響も見逃せません。彼らは西エクアトリア州およびコンゴ民主共和国に拠点を置き、2005年の和平合意前まで南スーダンにおける治安の脅威となりました。2008年から2009年にかけては、地域の住民が「アロー・ボーイズ」として反乱軍に対抗しました。

南スーダンの独立

2011年には南部スーダンの住民投票が行われ、その結果として南スーダンが独立を果たしました。これにより、西エクアトリア州も新たに南スーダンの一部として位置づけられることになりました。

地理と行政

西エクアトリア州は、10の郡から成り立っています。具体的には、ヤンビオ郡、ンザラ郡、イッバ郡、エゾ郡、マリディ郡、タムボラ郡、西ムンドリ郡、ムボロ郡、ナジェロ郡、東ムンドリ郡の各郡が存在します。

経済と文化

州の経済は主に農業と良質の木材に依存しています。住民の大部分はアザンデ人で、2008年には南スーダンの中で3番目に大きな民族として数えられました。地域の言語や文化も多様で、各民族のたんたつが織りなす独特の風景が広がっています。

このように、西エクアトリア州は歴史的な出来事や民族文化が交錯する地域であり、その経済や社会も様々な要素によって成り立っています。

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