西ナイル地方

西ナイル地方は、ウガンダ北西部に位置する地域であり、多様な民族が共存しています。住民としては、中央スーダン系のマディ族、ルグバラ族、アリンガ族や、ナイル系のカクワ族、アルール族、レンドゥ族、ンド族などが挙げられます。

歴史を紐解くと、1871年にムハンマド・アリー朝によって征服され、その後、ムハンマド・アリー朝がイギリスに降伏したことで、英領スーダンの一部となりました。この地域は、白ナイル川西岸に位置し、バハル・エル＝ガザルの南に広がっています。マフディーの反乱が発生し、イギリスが実効支配を失うと、コンゴ自由国にラド飛び地として1894年から1910年まで租借されました。その後、ベルギーから返還され、その南部が1912年に英領ウガンダに編入され、西ナイル州となりました。

現代のウガンダにおいては、ムセベニ政権が広域自治体を廃止したため、2008年以降、西ナイル地方は単一の行政区域や地方としては扱われていません。代わりに、北部地域に区分され、アルーア県、コボコ県、マラチャ＝テレゴ県、ネビ県、モヨ県、ユンベ県などの県が置かれています（かつてはマディ県も含まれていました）。

また、西ナイル地方は、西ナイルウイルスの発見地としても知られています。1937年、黄熱の研究者がこの地方で発生した熱病の女性から未知のウイルスを単離し、その地域名にちなんで西ナイルウイルスと命名されました。このウイルスは、後に世界中で感染が確認されるようになり、公衆衛生上の重要な課題となっています。

このように、西ナイル地方は、その地理的な位置、多様な民族構成、複雑な歴史、そして医学的な発見を通じて、様々な側面から注目される地域です。

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