西中島村 (愛媛県)

西中島村の概要

西中島村（にしなかじまむら）は、愛媛県の風早郡に位置していた村であり、1963年に中島町に編入されたことによって歴史を閉じました。
その後、中島町も2005年に松山市と合併し、現在は松山市の一部として存在しています。今日では、西中島の名前は「西中港」として残り、フェリーや旅客船が発着する重要な港として機能しています。

地理的環境

村は忽那諸島の中央に位置し、中島本島の西側に広がっていました。地形は山々に囲まれ、中央部には大里山（296m）や泰ノ山（289m）などがあり、これらの山を境に東側の中島村（後に中島町）と接しています。また、北の沖合には大館場島や小館場島の無人島が含まれ、自然に恵まれた地域と言えます。

村名の由来

村名の「西中島」は、中島本島の西側に位置することから名付けられました。

社会と集落構成

西中島村は、合併前に存在していた6つの村から成り立っていました。これらはそれぞれの大字として残り、集落は主に海岸線に沿って発展していました。主な集落は以下の通りです。

• - 粟井（あわい）
• - 畑里（はたり）
• - 饒（にょう）
• - 吉木（よしき）
• - 熊田（くまた）
• - 宇和間（うわま）

松山市に編入された後も、集落名は「中島」を付け加えることで区別されるようになりました。特に粟井は他に同名の地域が存在するために、このような措置が取られています。

行政機関

村役場は、大字饒に位置しており、発足当初は神官の大内家に置かれていましたが、その後移転されました。役場の存在は地域社会の中心として機能し、住民の生活に密接に関わっていました。

歴史と人口の変遷

西中島村は1889年に、風早郡内の6つの村が合併することで発足しました。その後、1897年に温泉郡に編入されました。昭和38年（1963年）には中島町に編入されることとなり、自治体としての歴史を閉じます。

村の人口は時代によって変化し、明治37年には655戸、3672人の住民が確認されており、大正10年には683戸、4129人へと増加しました。昭和30年には3909人の住民が記録されています。

西中島村の系譜

西中島村は、町村制施行以前の村から始まり、その後も様々な合併を経て、最終的に松山市に統合されました。ここでは西中島村の系譜を示します。

• - 1889年12月15日: 風早郡の6つの村（粟井村、畑里村、饒村、吉木村、熊田村、宇和間村）が合併し、西中島村が誕生。
• - 1897年4月1日: 風早郡が温泉郡に編入され、西中島村は温泉郡に移行。
• - 1963年3月31日: 中島町に編入され消滅。

参考資料と附記

この情報の出所には「角川日本地名大辞典」やその他の歴史的データが含まれています。愛媛県の廃止市町村については、愛媛県の関連資料も確認することができます。ウェブ上には、歴史的行政区域データセットなどの情報も提供されています。

西中島村は、その風景や歴史的遺産が現在でも地域の記憶に残る存在であり、その名は西中港として今も人々に親しまれています。

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