西井凉子

西井涼子について

西井涼子（にしい りょうこ）は1959年生まれの日本の文化人類学者で、主に東南アジア大陸部の社会人類学を専門としています。現在は東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の教授として、教育と研究に力を注いでいます。彼女の学位は、主に総合研究大学院大学から授与された博士（文学）です。

学歴

西井氏の学歴は、京都大学文学部哲学科の社会学専攻から始まります。1983年に卒業後、1986年には同大学院で社会学の修士号を取得しました。その後、1991年に博士課程に進学し、一定の単位を取得した後に退学。さらに、1994年に地域文化学を専攻する総合研究大学院大学に進み、再び単位を取得して退学しましたが、1996年には同大学から博士（文学）の学位を授与されました。

職歴

彼女の職歴は、1994年から東京外国語大学で始まりました。最初はアジア・アフリカ言語文化研究所の助手として活動し、1998年には助教授に昇進し、2010年から教授として教壇に立っています。彼女はこの間、多くの学生や研究者に影響を与え、国際的な学術コミュニティでも知られる存在となっています。

著作

西井涼子の著作は、文化人類学の視点からのものが多く、特に南タイに関する研究が際立っています。彼女の単著には、2001年に発表された『死をめぐる実践宗教―南タイのムスリム・仏教徒関係へのパースペクティヴ』があります。この著作では、南タイにおける宗教的な実践や、異なる宗教間の関係性に焦点を当てています。

また、2011年の『時間の人類学―情動・自然・社会空間』や、2013年に発表された『情動のエスノグラフィ: 南タイの村で感じる・つながる・生きる』も重要な作品です。これらは彼女の専門分野における深い洞察を示すものです。

西井氏の共編著としては、2006年に出版された『社会空間の人類学―マテリアリティ、主体、モダニティ』や、2012年の『東南アジアのイスラーム』が挙げられます。彼女は、田辺繁治や床呂郁哉、福島康博といった共著者と共に多くの研究をまとめ、それらは文化人類学の重要なリソースとなっています。

研究業績

研究業績としては、彼女が編纂に関わった『社会空間の人類学―マテリアリティ、主体、モダニティ』があり、これは文化における社会的空間の意味を探る重要な資料です。また、2002年には「硬直する身体-南タイにおけるムスリムと仏教徒 日常的実践のエスノグラフィ」なる論文を発表し、南タイの宗教的実践とコミュニティのアイデンティティに関する情報を提供しています。

総じて、西井涼子は文化人類学の分野において広範囲にわたる研究を行い、その成果は日本国内外で高く評価されています。彼女の持つ深い専門知識と研究成果は、今後の文化人類学の発展に寄与することでしょう。

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