西光寺山

西光寺山（さいこうじやま）

西光寺山は兵庫県西脇市と丹波篠[[山市]]に位置する標高712.9mの山です。特にその美しい稜線と気品ある山容は、地域の象徴として知られており、丹波と播州の境界にあたります。山頂には三角点が設置されており、豊かな自然環境とともに、多くの登山者を魅了しています。

概要

丹波、播州地方において700mを超える数少ない山の一つである西光寺山は、修験道の聖地としても知られています。かつては修験者たちが往来し、山頂には三宝荒神が祀られています。山からの360度の眺望は素晴らしく、丹波、北摂、六甲方面を見渡すことができます。また、西光寺山は「ふるさと兵庫50山」のひとつにも選ばれています。

登山道の入り口近く、今田町側では、8月中旬に珍しい花サギソウが咲き誇り、訪れる人々を楽しませてくれます。さらに、山のふもとには炭焼き窯が残っており、地域の歴史を物語っています。ここではウバメガシの群落も見られ、自然愛好者にとって憩いの場といえるでしょう。

歴史

平安時代には多紀郡一帯が天台宗に強く影響を受け、西光寺はその信仰の中心地として賑わっていました。この寺は特に盛況を極め、12世紀の初めには京都の貴族たちによって大般若経が600巻も奉納されたと言われています。1184年、源平時代に平家の一軍が西光寺に逃げ込んだ際、源義経軍と戦火を交えたこともあり、寺は火災に遭って大きな損害を受けました。数世代を経て再び復興されたものの、戦国時代には松永久秀の攻撃などにより再び焼失し、寺勢は衰えました。現在残る大般若経の600巻のうち、200巻は本荘住吉神社に保存されています。

金の鶏伝説

伝説によれば、西光寺山の山頂に住んでいた高僧が庵を結ぶと、村人たちに病気の治療や作物の作り方を教えていました。ある日、村人たちが気になった木箱の中に何が入っているのか尋ねると、僧は「中を見ることは決してしてはならない」と告げました。しかし、一人の若者がその誘惑に負け、木箱の蓋を開けてしまいました。すると、中には光り輝く金の鶏が鎮座していました。これを見た村人たちは噂を立て、やがて旅人がその庵に忍び寄り、またもや災いに直面しました。このような出来事を経た後、高僧は村人に「宝は山に残しておく」と言い残し、旅立っていったとされます。この話は今でも地元の人々に受け継がれ、新年には山のどこかで金の鶏が光を放つと語り継がれています。

交通アクセス

西光寺山へのアクセスは自動車利用の場合、中国自動車道の滝野社インターチェンジから約30分で到着します。公共交通機関を利用する際は、JR加古川線の西脇市駅から西脇市のコミュニティバスに乗り、約40分余りで「双葉小学校前」下車となります。このように、自然と歴史に恵まれた西光寺山は、訪れた人々に古の神秘と優雅な風景を提供してくれる場所です。

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