西八条禅尼

西八条禅尼（にしはちじょうぜんに）は、鎌倉時代前期から中期にかけての女性です。建久4年（1193年）に生まれ、文永11年9月18日（1274年10月19日）に82歳で亡くなりました。鎌倉幕府の第3代将軍である源実朝の御台所（正室）として知られています。

出自は、後鳥羽天皇の外叔父にあたる公卿、坊門信清を父に持ちます。兄には坊門忠信、坊門忠清がおり、姉妹には後鳥羽天皇の後宮である西御方（坊門局）や、順徳天皇の後宮である坊門位子（大納言局）がいました。

「西八条禅尼」は出家後の通称であり、法名は本覚尼（ほんがくに）です。彼女の実名については信子（のぶこ）とする説が広まっていますが、確かな史料に基づくものではありません。実際には「信子」という名前が伝わっているわけではなく、『尊卑分脈』に掲載されている信清の妹である「信子」と混同されたものと考えられています。

元久元年（1204年）に実朝の正室として鎌倉へ下向しました。夫婦仲は良好であったと伝えられていますが、子を儲けることはありませんでした。建保4年（1216年）には、尼御台政子の命により、実朝の兄である源頼家の娘（後の竹御所）を養女として迎えています。建保7年（1219年）に実朝が暗殺されると、翌朝には出家し、その後京へと戻りました。

承久3年（1221年）に勃発した承久の乱では、彼女の兄たちが朝廷軍として幕府軍と戦い、敗北しました。兄の一人である忠信は、乱の首謀者とみなされ東国へ連行されることとなりましたが、西八条禅尼の必死の嘆願により死罪を免れることができました。

晩年は、九条大宮の地に夫である実朝の菩提を弔うため、遍照心院（現在の designation大通寺）を建立しました。そして、文永11年（1274年）9月18日にその生涯を閉じました。享年82歳でした。

関連作品

彼女を題材とした小説やテレビドラマも制作されています。

小説
一色るい『源実朝の妻』
佐藤雫『言の葉は、残りて』

テレビドラマ
『草燃える』（1979年、NHK大河ドラマ） - 多岐川裕美が演じました。（役名は音羽）
『鎌倉殿の13人』（2022年、NHK大河ドラマ） - 加藤小夏が演じました。（役名は千世）

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