西六郷少年少女合唱団

西六郷少年少女合唱団：地域の宝、そして日本の合唱史に刻まれた名声

東京都大田区西六郷に拠点を置く西六郷少年少女合唱団は、1955年、鎌田典三郎教諭によって創設されました。創設時の名称は「西六郷小学校少年合唱団」でしたが、後に現在の名称へと変更されました。小学校5年生から高校3年生までの団員は、西六郷小学校合唱部とその卒業生を中心に構成されています。

その歴史は、鎌田教諭が来日したウィーン少年合唱団の歌声に感銘を受けたことに始まります。以来、伝統を受け継ぎながら、常に新しい合唱文化の創造を目指し、精力的に活動してきました。

数々の受賞歴と全国区への知名度

西六郷少年少女合唱団は、日本の小学校合唱コンクールにおいて数々の受賞歴を誇ります。その卓越した歌唱力は高く評価され、『歌のメリーゴーラウンド』へのレギュラー出演や『みんなのうた』での歌唱を通して、全国にその名を知らしめました。特に、1969年に発売された合唱曲『チコタン』のレコードは、昭和44年度文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞するなど、数々の功績を残しています。また、団歌として歌い継がれてきた「ぼくらの町は川っぷち」も、合唱団のシンボルとして親しまれてきました。

アニメソング界での活躍

1960年代には、テレビアニメのテーマソングを数多く担当しました。『鉄人28号』、『狼少年ケン』、『少年忍者風のフジ丸』、『海賊王子』、『ハッスルパンチ』、『キャプテン・スカーレット』など、多くの作品でその歌声を聴くことができました。アニメソング界においても、西六郷少年少女合唱団は常連として活躍し、その存在感を示しました。

国際舞台での活躍と創設者の逝去

1964年には、準国賓としてインドネシアのスカルノ大統領に招かれ、海外公演を行うなど、国際舞台でも活躍しました。1974年には、加藤登紀子作詞・作曲の『土耳古行進曲』のコーラスを担当するなど、幅広いジャンルで活躍しました。

しかし、1999年3月、創設者である鎌田典三郎教諭が逝去。その遺志を継ぎ、5月3日の演奏会をもって、合唱団は一旦活動を停止しました。

西六郷鎌田記念合唱団：伝統の灯を繋ぐ

地域の強い要望に応える形で、OB・OG有志によって「西六郷鎌田記念合唱団」が設立されました。都心に近く、町工場が多い西六郷という地域柄、旧合唱団のOB・OGの多くが今も同地に住み続けていることが、後継団体の設立を後押ししました。

西六郷少年少女合唱団は、その活動を通して、地域社会に大きな貢献をしました。そして、その歌声は、多くの人々の心に深く刻まれています。西六郷鎌田記念合唱団は、その伝統を受け継ぎ、新たな合唱文化を創造し続けています。西六郷少年少女合唱団、そして西六郷鎌田記念合唱団は、日本の合唱史にその名を刻む、重要な存在です。

もう一度検索