西分 (芸西村)

西分（にしぶん）

高知県安芸郡芸西村に属する大字の一つで、村の南西部に位置しています。この地域は古くから「西分村」として認識されており、郵便番号は地域によって781-5703（甲）と781-5704（乙）に分かれています。本項では、現在の芸西村の大字である西分に加え、かつて独立した自治体であった安芸郡西分村についても解説します。

地理

西分は、芸西村の南西端にあたり、美しい土佐湾に面しています。東側は芸西村内の和食や馬ノ上に接し、西側は香南市夜須町の手結山、千切、十ノ木、上夜須、夜須川といった地域と隣り合っています。地形的には海岸線沿いに広がっており、主要な交通網が東西に貫いています。地域内には、自然豊かな和食川や長谷川が流れています。

歴史

幕末の頃、西分は安芸郡に属する一つの村として存在し、当時の支配体制を示す『旧高旧領取調帳』によれば高知藩の領地でした。明治維新後の廃藩置県を経て、1871年（明治4年）7月14日には高知県の管轄へと移ります。近代的な地方自治制度が施行された1889年（明治22年）4月1日、近世以来の西分村が単独で自治体（村）として発足しました。その後、昭和の大合併期にあたる1954年（昭和29年）7月20日、西分村は近隣の和食村、馬ノ上村と合併し、新たに芸西村が誕生しました。この合併により、西分は芸西村を構成する大字の一つとなりました。

交通

西分地域は、土佐湾沿いを走る主要な交通路が集まる場所です。鉄道に関しては、現在、土佐くろしお鉄道阿佐線（ごめん・なはり線）が通過しており、地域内には西分駅が設置されています。過去には、1974年まで土佐電気鉄道安芸線が運行されており、長谷寄駅と西分駅が存在していましたが、廃止されています。
バス路線としては、高知東部交通が運行する安芸線がこの地域を経由しています。この路線は、県庁前やはりまや橋、後免町などを経て、夜須駅、手結、和食などを通り、安芸方面へと結んでいます。
道路網については、主要幹線である国道55号が東西に横断しており、地域の重要な動脈となっています。また、高知県道216号羽尾琴浜線も通過しています。さらに、高知東部自動車道が地域西側まで延伸しており、芸西西インターチェンジが国道55号に接続しており、広域交通の利便性が高い地域です。

施設

西分地域には、住民生活や地域活動に関わる様々な施設が存在します。郵便業務を行う長谷寄簡易郵便局や、観光・レジャー施設としてメルキュール高知土佐リゾート＆スパがあります。また、信仰の対象となっている長谷地蔵尊も地域内にあります。ゴルフ場として名高いKochi黒潮カントリークラブや土佐カントリークラブもこの地域に立地しており、多くのゴルファーが訪れる場所となっています。

もう一度検索