西北青年会

西北青年会（せいほくせいねんかい）

西北青年会とは、1946年に朝鮮半島南部で設立された極右の反共主義団体で、主に平安道出身の青少年たちを中心に構成されました。南朝鮮に移住した北側の青年たちは、共産主義の影響を恐れ、反共団体を結成し、彼らの活動は米軍の占領下で強化されました。

結成の背景

日本の敗戦後、朝鮮半島は北緯38度線を境にソ連軍と米軍の占領下に置かれました。特に北朝鮮では、共産主義勢力が社会主義化政策を進め、地主や資本家から土地や財産を強制的に没収しました。この混乱の中、すでに不満を持っていた北側の青年たちは南へ脱北し、反共活動を行う団体を結成しました。

統合と活動の始まり

1946年11月30日、平安道出身者を中心に西北青年会が結成されました。これにより、既存の反共団体が統合され、組織力を増すことになりました。冷戦が激化する中、南朝鮮でも反共の動きが強まると、左派系団体による騒動や事件が頻発しました。これに対抗する形で、西北青年会は国防警備隊や警察と協力して、共産主義勢力を厳しく取り締まりました。

白色テロの実行

この時期、西北青年会は反共団体である大同青年団との合流を経て、組織内部での分裂を経験しました。残留派は「李承晩の親衛隊」として活動を続け、特に民族主義者や左派を攻撃することに執念を燃やしました。1948年には済州島での四・三事件に参加し、多くの島民が犠牲となりました。

活動の終焉とその後

1948年末には政治団体としての活動を停止し、1950年に始まった朝鮮戦争とその後の社会的混乱により、ますます忘れ去られていきました。しかし、2014年にセウォル号沈没事故をめぐる政治的議論が続く中で、新たに「西北青年団再建準備委員会」を名乗る集団が登場し、再び西北青年会に注目が集まりました。残念ながら、その後の具体的な活動については報告されていません。

現代の視点

西北青年会の歴史は、朝鮮半島の政治的緊張を反映しており、極右思想や反共活動の影響を今日の社会でも見ることができます。また、過去の歴史の清算やその後の影響に対する認識が高まる中で、この団体の再建の試みは、現代における社会的な問題提起となっています。

このように、西北青年会は過去の歴史と向き合いつつ、現代の社会にどう関わっていくのか、その動向を注意深く見守る必要があります。

もう一度検索