西口泰夫

西口 泰夫

日本の実業家。1943年10月9日、大阪府堺市に生まれた。大阪教育大学大学院にて物性物理学を専攻し、1972年に修士課程を修了した。

キャリアの始まりと京セラ入社

大学院修了後、一旦は日本計算器という企業に勤務する。その後、1975年に京都セラミツク株式会社（現在の京セラ株式会社）に入社した。京セラでは、その専門知識と経営手腕が評価され、急速に要職を歴任していくこととなる。

京セラグループでの主要な役職

京セラ入社から約12年後の1987年に取締役となり、その後常務取締役を経て、1992年には代表取締役専務に昇進。1997年には代表取締役副社長に就任するなど、着実に経営の中枢へと進んだ。

そして1999年6月、代表取締役社長に就任し、グローバル企業である京セラのトップ経営者として辣腕を振るった。社長在任中には、グループ内のシナジー強化や事業拡大にも尽力。2000年には京セラミタ株式会社、2001年には京セラコミュニケーションシステム株式会社の代表取締役会長を兼務するなど、関連会社の経営にも深く関わった。また、2001年には株式会社タイトーの取締役会長も務めている。

2003年には再び京セラの代表取締役社長兼執行役員社長として経営を主導し、並行して京セラキンセキ株式会社の取締役会長も務めた。さらに2005年6月には、京セラ代表取締役会長兼CEO（最高経営責任者）に就任。企業の最高責任者として、京セラのさらなる成長戦略を描いた。長きにわたり京セラの経営を牽引した後、2006年4月には取締役相談役として後進の指導にあたった。

幅広い分野での貢献

京セラ退任後も、西口氏は様々な分野でその経験と知見を活かしている。

2007年には、株式会社HANDYの代表取締役社長を務めた。
学術面では、同志社大学大学院総合政策科学研究科の博士課程に入学し、技術経営を研究。2009年に博士号（技術経営）を取得した。その後、同志社大学大学院ビジネス研究科の客員教授として、実践的な経営学を教えた。
企業の社外役員としても多くの実績を持つ。2008年から2011年には富士通マイクロエレクトロニクス株式会社（後の富士通セミコンダクター株式会社）の取締役を務めたほか、2011年からは株式会社SOLE代表取締役、コバレントマテリアル株式会社社外取締役、2012年からは長瀬産業株式会社、株式会社ツバキ・ナカシマの社外取締役、2013年からは株式会社ゼンショーホールディングス非常勤取締役、2014年からは株式会社ユーシン精機社外取締役を歴任している。
業界団体では、2013年から一般社団法人日本電子デバイス産業協会の副会長を務め、電子デバイス産業の発展に貢献した。

ソシオネクストでの役割

特筆すべき活動として、システムLSI開発・設計の新会社である株式会社ソシオネクストの設立に関与したことが挙げられる。2015年、同社の代表取締役会長兼CEOに就任し、事業基盤の確立と成長戦略の推進を主導。2018年にその職を退くまでの期間、新たな企業の立ち上げと経営に尽力した。

西口泰夫氏は、京セラでの経営トップとしての実績に加え、幅広い企業の経営に関与し、さらに技術経営の研究や教育にも貢献するなど、日本の産業界に多大な足跡を残している。

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