西園寺宣久

西園寺宣久は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武士であり、伊予西園寺氏に仕えた家臣です。西園寺十五将の一人としてもその名を知られています。

宣久は西園寺公宣の子として生まれました。彼の家は伊予西園寺氏の所領のうち、宇和郡来村を領しており、来村殿と称されていました。当初、亀が淵城を居城としていましたが、天正3年（1575年）に宇和郡高串の道免城城主であった家藤監物が守っていた板島丸串城に移り、その後は板島殿と呼ばれるようになりました。

天正4年（1576年）頃、宣久は伊勢神宮に参詣しました。その際、和歌と俳諧を織り交ぜた紀行文『伊勢参宮海陸之記』を著しています。この紀行文は、当時の旅の様子や文化、宣久の豊かな教養を伝える貴重な資料となっています。

天正8年（1580年）5月18日、宣久は病のため亡くなりました。法名は後西園寺殿羽林郎将永桃道宗大居士。墓所は来応寺にあります。辞世の和歌として、以下の二首が伝えられています。

朝な夕な何に心を尽してやいたづら事にけふとこそなれ
世の中は皆偽りの其内に此一言のまことなりけり

これらの和歌は、宣久の人生観や死生観を垣間見ることができるものとして、後世にまで伝えられています。

参考文献

* 市指定　西園寺宣久の墓 - 宇和島市役所(外部リンク参照)

もう一度検索