西山一宇

西山 一宇

1970年8月28日、高知県高知市に生まれた西山一宇は、右投げ右打ちの元プロ野球投手です。バルセロナオリンピック野球日本代表として銅メダル獲得に貢献しました。

高校・社会人時代

高知高校では、速球派投手として将来を嘱望されていました。3年夏の甲子園県予選決勝では、強豪・高知商業高校のエース岡幸俊投手と対戦しましたが敗れ、甲子園出場は叶いませんでした。高校卒業を控えた1988年のドラフト会議では、母校の先輩である有藤道世監督が率いるロッテオリオンズから5位指名を受けましたが、「体力的にプロでやっていく自信がない」として入団を辞退しました。

高校卒業後は社会人野球に進み、NTT四国に入社。同期の山部太投手と共にチームの二枚看板として活躍しました。高卒1年目の1989年には、都市対抗野球に四国銀行の補強選手として出場しましたが、チームは初戦敗退で登板機会はありませんでした。翌1990年からは3年連続で自チームから都市対抗に出場し、1991年の大会では河合楽器相手に初勝利をマークしました。この年、第10回インターコンチネンタルカップの日本代表に選ばれ、さらに翌1992年にはバルセロナオリンピック野球日本代表に選出。オリンピックでは銅メダル獲得に貢献しました。

プロ野球時代

バルセロナオリンピックでの活躍によりドラフトの注目選手の一人となりましたが、当時の報道では故障の影響も指摘されており、1992年のドラフト会議では2位まで指名がなく、3位指名で読売ジャイアンツに入団しました。

プロ入り後は、入団前から抱えていた故障の影響もあり、最初の2年間はわずか2試合の登板にとどまりました。しかし、3年目の1995年シーズン途中、不調だった石毛博史投手に代わりストッパーに抜擢されると、150km/hを超える速球とスライダー、フォークを武器に才能が開花。このシーズンは5勝7セーブ、驚異的な防御率0.55という成績を残し、当時の長嶋茂雄監督から「（横浜の守護神）佐々木主浩以上」と絶賛されるほどの活躍を見せました。

1996年は開幕からストッパーとして期待されましたが、球の出どころが見やすいアーム式のフォームが影響したのか、球速の割に空振りが取れず（通算奪三振率は6.55と、リリーフで競った石毛投手の9.21より低い）、救援に失敗する場面が続きました。このため5月4日の登板を最後に二軍へ降格しました（この時点での成績は9登板、1勝2敗1S、防御率12.71）。一軍復帰後は中継ぎに配置転換され、ロングリリーフや敗戦処理をこなすうちに徐々に調子を取り戻しました。完投能力はなかったものの、8月には先発ローテーションにも起用され、最終的に自己最多となる6勝を挙げるなど、チームのリーグ優勝に貢献しました（先発としては5試合に登板し1勝3敗、防御率3.70）。しかし、翌1997年は年間を通じて不調に終わりました。

1998年は敗戦処理としてのスタートでしたが、安定感のある投球を見せ、左腕の河野博文投手と共に中継ぎ陣の柱となりました。この年は登板数、投球イニング数、奪三振数でキャリアハイを記録しました。ところが、1999年になると前年の活躍から一転して打ち込まれるようになり、これ以降は一軍と二軍を行き来する苦しい時期が続きました。

2002年には制球難克服を目指し、サイドスローに転向しましたが、一軍での登板機会はほとんど得られませんでした。ただし、二軍では14セーブポイントを挙げ、最優秀救援投手のタイトルを獲得しています。

一軍での登板がなかった2003年シーズン限りで現役を引退しました。

引退後

現役引退後は、読売ジャイアンツのスコアラーに転身しました。2009年にはワールド・ベースボール・クラシック（WBC）日本代表チームのスコアラーも務め、日本の2大会連続優勝に貢献しました。2021年シーズン終了をもって球団を退任しました。

記録

初登板：1993年10月3日 対広島東洋カープ戦（東京ドーム）
初奪三振：上記初登板試合（打者：川口和久）
初セーブ：1995年8月6日 対横浜ベイスターズ戦（横浜スタジアム）
初勝利：1995年8月15日 対広島東洋カープ戦（広島市民球場）
初先発：1996年8月4日 対中日ドラゴンズ戦（ナゴヤ球場）
初先発勝利：1996年8月17日 対ヤクルトスワローズ戦（東京ドーム）

背番号

47 （1993年 - 1998年）
26 （1999年 - 2003年）

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