西嶋千春

西嶋 千春（にしじま ちはる）

日本の競技麻雀界で活躍するプロ雀士。1988年2月1日生まれ、埼玉県出身。競技麻雀団体である最高位戦日本プロ麻雀協会に所属し、多くのタイトル戦で優れた成績を収めている。

プロへの道のり

早稲田大学を卒業後、就職活動に苦戦したことを機に、自立した生活を送るため雀荘でのアルバイトを始めた。長時間にわたる勤務を通じて麻雀に深く関わる中で、プロ雀士の道を意識するようになる。そして2009年、最高位戦日本プロ麻雀協会の第34期前期生として入会し、競技の世界に身を投じた。

タイトル獲得と輝かしい実績

プロ入り後、所属団体の最高峰リーグである女流最高位戦において頭角を現す。2014年の第13期、2016年の第15期と立て続けに女流最高位決定戦に進出するも、いずれも3位という結果に終わった。しかし、その間にも活躍は続き、2015年には最高位戦が主催する伝統あるタイトル戦、第16期女流名人戦で準優勝の成績を収めている。

迎えた2017年、3度目の挑戦となる第17期女流最高位決定戦に進出。最終局での鮮やかな逆転劇により、当時3連覇中であった強豪・大平亜季を退け、初の女流最高位のタイトル獲得という快挙を成し遂げた。

タイトルホルダーとして臨んだ翌2018年には、様々な団体の強豪が集う「四神降臨 女流王座決定戦」で準優勝、さらには日本プロ麻雀連盟主催の格式高いタイトル戦「女流プロ麻雀日本シリーズ」でも3位入賞を果たすなど、その実力を広く示した。

一時休業と不屈の復帰

順調にキャリアを重ねていた西嶋プロだったが、当時勤務していた雀荘の客であった夫との間に子供を授かったことを機に、麻雀プロとしての活動を一時休止することとなる。しかし、母となった彼女は競技の場への復帰を決意。2018年8月から再び麻雀プロとしての活動を開始した。

復帰後もその強さは健在だった。女流最高位決定戦では、2018年の第18期、2019年の第19期と連続して優勝。第17期からのタイトル防衛を果たし、史上3人目となる女流最高位3連覇の偉業を達成した。また、2019年の女流プロ麻雀日本シリーズでは準優勝となるなど、復帰後もトップレベルでの活躍を続けた。惜しくも2020年の女流最高位決定戦では、タイトルを伊藤奏子プロに譲ることとなったが、2022年の第22期女流最高位決定戦では再び優勝し、自身4期目のタイトル獲得を果たしている。

人物・雀風

西嶋プロの趣味は漫画、お酒、そしてネコをこよなく愛すること。血液型はA型である。雀士としてのキャッチフレーズは、第17期女流最高位決定戦での劇的な逆転勝利にちなんで付けられた「逆転の西嶋」。この異名が示す通り、劣勢からの逆転を得意とするイメージがあるが、対局においては「切れ味鋭い攻撃力」も持ち合わせており、見る者を魅了する麻雀を展開する。かつては最高位戦のリーグ戦において、C2リーグに所属していた実績も持つ。

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