西川王

西川王の治世について

西川王（せいせんおう、生年不詳 - 292年）は、高句麗の第13代の王として270年から292年まで在位しました。彼は姓が高であり、名は薬盧または若友とされ、他にも西壌王という別名があります。西川王は、先代の中川王の第二子で、255年に王太子として立てられ、先王の死去によって270年10月に即位しました。王后は西部大使者・明臨於漱の娘であり、王との関係が高句麗の政治において大きな影響を与えたと考えられています。

治世の業績

西川王の治世は、外敵との戦いと内政の安定に力を注いだ時期でした。特に280年10月、粛慎族が侵攻してきた際には、王は迅速に対策を講じました。辺境の住民に多くの被害が出ていたため、王弟の達賈を討伐に派遣しました。達賈は巧妙な戦術を駆使して粛慎の酋長を討ち取り、さらに多くの部落を支配下に置くことに成功しました。この功績により、達賈は「安国君」に封じられ、彼の指揮のもとで梁貊や粛慎の部落を統治する権限が与えられました。

しかし、王の治世は平穏無事とは言えず、286年2月には王弟の逸友や佐勃らが謀反を企んでいました。西川王はこれを早期に察知し、彼らを国相にするという口実で招き、力士を用いて捕らえさせ、処罰することで権力を強化しました。

西川王の死去

在位23年の間に西川王は多くの業績を残しましたが、292年に亡くなります。彼の遺体は西川の原に埋葬され、その際には「西川王」という諡号が与えられました。王の治世は、高句麗における内政および外戦の強化を象徴するものであり、多くの後代に影響を与えたとされています。

参考資料

西川王の治世に関する詳細な情報は、『三国史記』に記載されています。この書物は金富軾が編纂し、井上秀雄によって翻訳されたもので、平凡社の東洋文庫425に収められています。これにより、当時の高句麗における政治状況や西川王の具体的な業績を知る手がかりとなります。

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