西平野停留場

南海電気鉄道平野線は、かつて大阪市内に存在した軌道線（路面電車型の鉄道路線）です。その沿線に設けられていた停留場の一つに、西平野（にしひらの）がありました。

概要

西平野停留場は、大阪市平野区の背戸口に位置しており、平野線の終着駅であった平野停留場のすぐ西側に開設されました。1942年（昭和17年）2月15日に営業を開始したこの停留場は、平野線においては最後に新設された駅として歴史に名を刻んでいます。

廃止されるまで、西平野停留場は2面2線の千鳥式ホームを持つ地上駅として機能していました。上り（今池方面）ホームは、現在の大阪市平野区背戸口にある背戸口公園の敷地内に設けられていました。一方、下り（平野方面）ホームは、公園の向かい側、阪神高速道路の高架下にある新平野コミュニティーセンターの北側に位置しており、線路を挟んで互い違いに配置されていました。

特に、中野停留場との間は平野線の中で最も駅間が長く、約0.9キロメートル離れていました。この区間は、開業当初からの線路に加え、阪神高速14号松原線の建設に伴い線路が一部移設された経緯を持ちます。そのため、廃止直前の下りホーム付近の軌道は、円弧を描くようにわずかにカーブしており、当時の移設工事の痕跡を留めていました。西平野から終点の平野までは、平野線開業時からの敷地をそのまま走っていました。

歴史

西平野停留場は、1942年2月15日に開業しました。その後、約38年間にわたり地域の足として利用されましたが、平野線の廃止に伴い、1980年11月28日をもってその役目を終えました。

駅構造

地上駅であり、線路を挟んで互い違いに配置された2面のホームと2線の線路を持つ千鳥式構造でした。

現在の様子

平野線が廃止されて久しい現在、西平野停留場があった場所は、主に背戸口公園として整備されています。公園内には、かつてこの地を電車が走っていたことを記念するモニュメントが建立されています。「なんかいでんしゃひらのみち」とひらがなで記された記念碑には、在りし日の路線図も刻まれており、往時を偲ばせます。また、公園内の歩道には、かつての軌道敷をイメージしたデザインが施されており、訪れる人々に、ここがかつて鉄道の駅であったことを伝えています。公園の対面にあるコミュニティセンター周辺も、当時の下りホームがあった場所を推定する手掛かりとなります。

隣接駅

廃止時点での隣接駅は以下の通りです。
今池方面：中野停留場
平野方面：平野停留場

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