西方寺 (京都市右京区)

西方寺は、京都市右京区常盤出口町に位置する浄土宗の寺院であり、入逢山と号します。本尊には阿弥陀如来が祀られています。この寺の開基は、鎌倉時代に活躍した宇都宮頼綱（実信房蓮生）です。

歴史

1259年（正元元年）、宇都宮頼綱は、法然の教えに深く帰依し出家しました。彼は、当時既に存在していたとされる西明寺の境内に念仏堂を建立し、それを西方寺と名付けたのが始まりとされています。宇都宮頼綱は、もともと関東の宇都宮氏の当主であり、鎌倉幕府の御家人として仕えていましたが、北条氏との政権抗争に巻き込まれたことがきっかけで、出家し、京都に隠遁しました。京都では、歌人として知られる藤原定家と親交を深め、定家の子である為家に娘を嫁がせ、姻戚関係を結びました。

応仁の乱の際には、焼失した仁和寺の寺基が一時的に当寺に移されたという記録も残っています。

西方寺の歴史を年表形式でまとめると以下のようになります。

1017年（寛仁元年）8月 - 敦明親王が皇太子を辞し、小一条院としてこの地で隠棲生活を送りました。
1259年（正元元年） - 宇都宮頼綱（実信房蓮生）が念仏堂を建立し、西方寺と名付けました。
1467年（応仁元年） - 応仁の乱により、御室仁和寺の伽藍が全焼し、寺基が一時的にこの地に移されました。
1634年（寛永11年） - 仁和寺の再建に伴い、寺基が元の場所に戻されました。
1940年（昭和15年） - 境内から奈良時代の土器と、平安時代から鎌倉時代にかけての瓦が出土しました。
2005年（平成17年） - 山門が新しく落成しました。

アクセス

西方寺へのアクセスは、公共交通機関を利用するのが便利です。

バス: JR京都駅北口から京都市交通局の75番山越中町行きバスに乗車し、約30～40分で「太秦映画村道」バス停に到着します。そこから徒歩約3分です。
徒歩: 京福電鉄北野線の常盤駅または、京福電鉄嵐山線の太秦駅から、それぞれ徒歩約15分です。

関連項目

西方寺に関連する項目としては、以下のものが挙げられます。

日本の寺院一覧
光明寺
西山浄土宗
宇都宮頼綱
西方寺 (曖昧さ回避)
天王社八幡宮

外部リンク

より詳しい情報は、以下のホームページをご覧ください。

* 入逢山 常盤 西方寺と天王社八幡宮ホームページ


西方寺は、その歴史的背景と美しい自然に囲まれた静かな場所で、訪れる人々に心の安らぎを与えてくれるでしょう。

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