西日本ジェイアールバス紀伊田辺営業所

西日本ジェイアールバス紀伊田辺営業所について

西日本ジェイアールバス紀伊田辺営業所は、和歌山県田辺市に所在していたバスの営業所です。この営業所は、日本国有鉄道自動車局（国鉄バス）及び西日本旅客鉄道（JR西日本）の運営するものとして、1947年に設立されました。当初は省営バス紀伊田辺自動車区として開設され、紀伊田辺と請川を結ぶ自動車路線としてスタートしました。

沿革

設立から数年後の1949年には、日本国有鉄道自動車局の組織に変更され、1950年には紀伊田辺自動車営業所と名称が改められました。当時、新たに川湯温泉方面への路線延長が行われ、地域の交通網がさらに充実しました。1959年には、紀勢本線の全通により尾鷲自動車営業所が廃止され、これに伴い、その支所が紀伊田辺営業所の支所となりました。1961年には再度改称され、新宮支所となります。

1960年代に入ると、国鉄の基本方針として長距離路線の創設が掲げられたことに伴い、紀伊田辺から新宮を結ぶ自動車路線が計画されました。この路線は、国道168号と169号の改修に合わせたもので、1963年3月には五新線として運行が始まりました。しかし、1970年代に入り、国鉄バス全体において長距離路線の整理が実施され、本営業所の路線も影響を受けました。1970年代後半には、五新線の一部が廃止され、この時点で「鉄道線の先行」という使命は失われました。

その後、熊野線と五新線の残存区間を利用して新たに観光ルートが形成されましたが、最終的には2002年4月に全ての区間が廃止され、さらに2009年9月30日までに熊野線の紀伊田辺と栗栖川の区間からも撤退することになりました。その結果、紀伊田辺営業所は閉鎖される運命を迎えました。閉鎖後は、跡地に事務所兼整備場が残り、現在は月極駐車場および白浜エクスプレス大阪号の利用者専用駐車場として活用されています。

所在地

この営業所の所在地は、和歌山県田辺市湊736番地の1でした。2016年11月7日以降は住居表示が変更され、田辺市湊47番31号となっています。

所管路線

この営業所では、様々な路線が運行されており、主な路線には次のものがあります。熊野線や熊野本線、白浜線、富里線、五新線があり、各路線は地域の重要な交通機関として機能していました。特に五新線は、和歌山県と奈良県を結ぶ重要な路線であり、観光客にも利用されていました。

所属車両

営業所には、いすゞ車と三菱車が中心に配備されていました。1995年4月の時点での車両情報によれば、路線車に関しては9台のいすゞLRと2台の三菱MP118M、さらに貸切車として6台のいすゞスーパークルーザーなどが登録されていました。

終わりに

西日本ジェイアールバス紀伊田辺営業所は、その設立から何十年もの間、地域の交通に大きな役割を果たしてきましたが、時代の流れとともに役目を終え、現在はその歴史を物語る場所として静かに残されています。

もう一度検索