西有穆山

西有 穆山について

西有 穆山（にしあり ぼくざん）は、俗名を笹本万吉といい、江戸時代から明治時代にかけて活躍した曹洞宗の僧侶です。彼は、文政4年（1821年）10月23日、現在の青森県八戸に生まれました。生涯を通じて仏教の教えを広め、多くの弟子を育てるなど、宗教界に大きな影響を与えました。

生涯の概要

穆山は、天保3年（1832年）に地元の長流寺で出家し、金栄と名乗るところから始まります。彼は天保10年（1839年）に仙台に移り、さらに天保12年（1841年）には江戸に向かいました。江戸で大切な修行を行うため、吉祥寺旃檀林学寮に入学し、浅草本然寺で泰禅の後を継いで住職となります。その後、牛込鳳林寺の住職としても活動し、その修行の中で瑾英という法名に改名しました。

1861年、彼は龍海院で修行中に大悟を得て奕堂から印可を受けると、宗参寺や鳳仙寺を経て大教院に呼ばれます。ここで中講義や大講義を行い、総持寺の出張所の監院、さらには本山の貫首代理を務めました。その後、法光寺、中央寺、可睡斎、伝心寺を経て、宗教界での地位を確立しました。

明治33年（1900年）、信者の寄付によって横浜に西有寺を設立し、明治34年（1901年）には總持寺の貫首に選ばれました。さらに翌年には曹洞宗管長としての役割を担いますが、明治38年（1905年）には横浜にて引退を決断します。最終的に彼は明治43年（1910年）12月4日に遷化（死去）します。

教えと遺産

穆山は多くの教えや遺偈（生前に詠んだ言葉）を残しましたが、彼の遺偈は後の宗門僧侶たちの手本となり、その影響は現在にまで及んでいます。彼が育てた弟子たち、飯田トウ隠や丘宗潭、来馬琢道らも彼の教えを受け継いでいます。

著書と記録

穆山は数多くの著書を残しています。主な著作には、『正法眼蔵啓迪』全3巻や『普勧坐禅儀提耳録』、さらに『西有禅話』や『洞山五位説』があります。また、彼に関する記念集『西有穆山禅師 - 没後百年を迎えて』が2009年に発行され、彼の業績や影響を振り返る重要な資料となっています。

参考文献

彼に関する情報は、特に『禅学大辞典』や、コトバンクなどの資料を通じて知ることができます。西有穆山は日本の仏教の歴史において、重要な位置を占める人物として評価されています。

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