西村和雄

西村 和雄 - 経済学者

概要

西村和雄（にしむら かずお、1946年10月11日生まれ）は、日本における著名な経済学者であり、特に数理経済学と複雑系経済学の分野でその名が知られています。京都大学の名誉教授であり、日本学士院の会員でもあります。また、日本経済学教育協会の会長や、Econometric Societyのフェローとしても活動してきました。

略歴

西村は北海道札幌市に生まれ、札幌旭丘高等学校を卒業後、1970年に東京大学農学部農業経済学科を卒業しました。その後、1977年にアメリカ・ロチェスター大学でPh.D.を取得します。アカデミックキャリアは1978年から始まり、東京都立大学経済学部の助教授を経て、京都大学経済学部で教授として勤務しました。2006年から2010年までは京都大学経済研究所の所長を務めました。2010年に定年退官後は名誉教授となり、同志社大学での客員教授を務めています。また、2012年には日本学士院の会員となり、2013年には神戸大学研究所に特命教授として招かれています。

研究業績

西村は1979年に「Journal of Economic Theory」に論文を発表して以来、経済における非線形動学理論を推進してきました。彼の研究は、経済学の理論に複雑性を持ち込むものであり、非常に珍しいアプローチとして国際的に評価されています。

受賞と評価

彼の業績は多くの賞を受賞しています。2005年には第1回日本数学会出版賞、2007年にはエックスマルセーユ第Ⅱ大学名誉博士号を受け、2008年には第51回日経・経済図書文化賞を受賞しました。2010年には京都新聞大賞の文化学術賞を受賞し、2012年には紫綬褒章を授与されています。さらに、2019年には瑞宝重光章を受章しました。

著作

西村は著作も多く、単著に『経済数学早わかり』（1982年）や『ミクロ経済学入門』（1986年）、『知の方程式』（1995年）などがあります。また、共著・共編著の作品も多数存在し、『複雑系経済学とその周辺』（2000年）や『経済学のすすめ』（1996年）といったタイトルが有名です。特に『入門経済学ゼミナール』（1990年）は、多くの学生に親しまれています。

教育への貢献

彼はまた、経済学の教育においても強い影響力を持っており、特に若手研究者の育成に尽力してきました。日本経済学教育協会の会長としても多くのフォーラムやセミナーを開催し、経済学の発展に寄与しています。彼の研究は、経済学界において新たな視点を提供し続けています。

結論

西村和雄氏は、日本の経済学界において重要な役割を果たしてきた学者です。彼の業績は、経済学の理論と実践における深い理解を提供し、今後の研究にも大きな影響を与えるでしょう。

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