西村英俊

西村 英俊に関する詳細

西村英俊（にしむら ひでとし、1942年4月29日生まれ - 2013年12月31日没）は、日本の著名な実業家であり、双日株式会社の最高経営責任者（CEO）及び西日本高速道路株式会社の社長を務めた人物です。その経歴は、戦略的な経営改革と成功によって際立っています。

生い立ちと教育背景

福岡市で生まれ育った西村は、1961年に福岡県立修猷館高等学校を卒業し、その後、九州大学経済学部に進学。1965年に卒業後、日商に入社し営業部門でのキャリアをスタートさせます。ここでは主に機械やプラントの輸出業務に従事しました。

日商岩井でのキャリア

その後、日商は岩井産業と合併し、日商岩井が設立されることになります。1992年には情報産業本部長とメディア事業部長に就任し、ポケベルや携帯電話、さらには民間衛星放送など、新しい技術への挑戦を行います。

また、西村は中国や米国における経営にも携わるようになり、その後取締役や常務取締役を経て、2002年には日商岩井の代表取締役社長に就任することになります。この時期、同社は大きな業績不振と6,000億円の不良債権に直面していました。

経営改革と再建

西村は企業の再生に向けて、ニチメンとの経営統合や不良資産の整理・リストラを行い、金融機関や大口債権者からの債務免除を求めるなど、積極的な改革を推進しました。この厳しい状況にもかかわらず、リスク管理体制を確立し、事業の選択と集中を図ることで、日商岩井を事業再生に導きます。

2004年4月には日商岩井とニチメンが持株会社を設立し、経営統合した双日株式会社の共同CEOに就任。その後半年間で350件以上の不良債権や不稼働資産を売却する交渉を行い、売却損は約4,300億円と推定されるほど徹底的な再建計画が実施されました。

辞任とその後の動向

2005年6月、西村は新経営計画を策定し、経営が軌道に乗り始めたところで、株主や関係者に多大な迷惑をかけたとして潔くCEOの職を辞し、特別顧問となります。その後、双日は2008年に過去最高水準の経常利益1,015億円、当期純利益627億円を達成しました。

西日本高速道路社長としての活動

双日を退任後は顧問として忙しい日々を送り、2010年6月には西日本高速道路株式会社の社長に就任します。同時に、財団法人双日国際交流財団の理事長も務め、国際交流に貢献しました。

最期の時

西村英俊は2013年12月31日に心不全により亡くなりました。彼の経歴は、日本の実業界における成功と挑戦の象徴であり、その影響は今もなお感じられています。彼の著書『会社は毎日つぶれている』は、経営者としての彼の思考と信念に触れる貴重な資料となっています。

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