西村貞

西村 貞（にしむら てい）: 日本の美術史家

西村貞（にしむら てい）、本名は西村久次郎は、1893年に大阪市で誕生し、1961年に亡くなった日本の著名な美術史家です。美術の分野において多大な功績を残した彼は、特に民家に関する研究で知られています。

経歴

彼は一時明治大学に在籍していましたが、途中で中退しました。その後、美術史の研究に注力し、数多くの著作を発表しました。特に1954年に発表した『民家の庭』は高い評価を受け、毎日出版文化賞を受賞するなど、彼の研究成果が広く認識されるきっかけとなりました。

主な著作

西村貞は多彩なテーマについて書いた多くの著作があります。

• - 『文芸復興期の美術』（1921年、聚英閣）: 彼の初期の作品で、文芸復興期の美術を多角的に分析。
• - 『南都石仏巡礼』（1929年、太平洋書房）: 奈良を中心とした石仏に関する研究。
• - 『黄檗画像志』（1934年、池長美術研究所）: 黄檗宗に関連した美術品の探求。
• - 『日本銅版画志』（1941年、書物展望社）: 日本の銅版画に関する深い考察。
• - 『奈良の石仏』（1943年、全国書房）: 奈良の石仏についての詳細な研究。
• - 『日本初期洋画の研究』（1945年、全国書房）: 日本の初期洋画の特性や流れを分析（写真は入江泰吉による）。
• - 『キリシタンと茶道』（1948年、全国書房）: キリシタン文化と日本の茶道の接点に関する考察。
• - 『民家の庭』（1953年、美術出版社）: 受賞作品で、民家の庭の美術的価値を掘り下げる。
• - 『庭と茶室』（1956年、大日本雄弁会講談社）: 日本の庭と茶室に焦点を当てた研究。
• - 『南蛮美術』（1958年、大日本雄弁会講談社）: 南蛮文化における美術の発展について。

共著としても活躍しており、1925年に発表した『画の科学』（中央美術社）や、1961年の『キリシタンの美術』（宝文館）などが挙げられます。

足跡

西村貞の研究は、後の美術史学に多大な影響を与えました。また、彼の著作は日本美術の研究に必要不可欠な文献として尊重されています。彼の業績に関する参考資料としては、杉森哲也の『描かれた近世都市』や、2011年に報じられた長崎原爆に関連する記事などがあります。これらからも彼の貢献がどれほど重要であったかを理解する手助けとなります。西村貞の影響は、今もなお美術界に生き続けています。

もう一度検索