西横堀川

西横堀川の詳細

西横堀川は、かつて大阪府大阪市内を流れていた運河です。土佐堀川の錦橋上流側から分岐し、南へ流れて道頓堀川に合流していました。全長は約2.5kmで、現在の中央区と西区の境界を流れていました。埋め立てられた跡地は、阪神高速1号環状線（北行き）の高架や大阪市西横堀駐車場として利用されています。

地理

西横堀川は、土佐堀川から南へ流れ、道頓堀川に注ぐ形で存在していました。しかし、現在は上流の土佐堀川との分岐点から道頓堀川の北側、金屋橋の少し北までの区間が埋め立てられ、道頓堀川との合流部付近の最下流部分のみが残っています。この川がかつて流れていた場所は、現在の大阪市街地の重要な交通インフラや公共施設の一部となっています。

歴史

江戸時代の大坂では、西横堀川の東岸は材木の集積地として大変賑わっていました。その場所は「西横堀二十四浜」と呼ばれ、多くの材木商人が集まりました。この川を開削したのは、大坂北組惣年寄を務めた材木商の永瀬七郎右衛門で、当初は「七郎右衛門堀川」とも呼ばれていました。西国橋から京町橋の間には、1872年まで「七郎右衛門町」という町名も存在しました。

西横堀川の開削は1600年（慶長5年）に始まり、その後、阿波堀川、江戸堀川、京町堀川、長堀川、立売堀川、堀江川などの運河が次々と開削されました。これらの運河は、当時の大阪の物流を支える重要な役割を果たしていました。しかし、1962年（昭和37年）には埋め立てられ、その姿を消しました。

開削年表

1600年（慶長5年）：西横堀川開削。信濃橋下流側より西へ阿波堀川が開削。
1617年（元和3年）：筋違橋上流側より西へ江戸堀川、京町橋下流側より西へ京町堀川が開削。
1625年（寛永2年）：長堀川が開削され、四ツ橋で直交。
1626年（寛永3年）：助右衛門橋上流側より西へ立売堀川が開削。
1698年（元禄11年）：木綿橋上流側より西へ堀江川が開削。
1962年（昭和37年）：埋立。

架かっていた橋

西横堀川には、数多くの橋が架かっていました。以下は上流から順に並べた橋の一覧です。

西国橋 - 土佐堀通
船町橋
尼ヶ崎橋 - 土佐堀出路の影響で道路が寸断
筋違橋
呉服橋
京町橋
新天満橋
相生橋
敷津橋 - 道路寸断
信濃橋 - 本町通
江達橋 - 中央大通（東行き）
篠橋 - 中央大通（西行き）
新渡辺橋 - 信濃橋出路の影響で車道が寸断（歩行者は通行可能）
助右衛門橋
新町橋
上繋橋 - 長堀通
下繋橋
御池橋
清水橋
木綿橋

これらの橋は、当時の人々の生活や物流に欠かせないものでした。

現存する橋

西横堀川に架かっていた多くの橋の中で、現在も残っているのは最下流に位置する金屋橋のみです。

金屋橋

金屋橋（かなやばし）は、大阪市中央区と西区の境に位置する橋で、西横堀川で唯一現存する橋です。現在の橋は1929年に完成したもので、橋長29.7m、幅員7.68mの桁橋です。橋の上を阪神高速道路1号環状線が通っており、その存在感を示しています。橋の名前は、西道頓堀北岸の町名に由来し、別名「釜屋橋」とも呼ばれていました。座標は北緯34.669396度、東経135.496906度です。

参考文献

『角川日本地名大辞典 27 大阪府』（角川書店、1983年）

関連項目

東横堀川
* 日本の川一覧

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