西武B11形蓄電池機関車

西武B11形蓄電池機関車の詳細

西武B11形蓄電池機関車は、西武鉄道の山口線で使用されていた特殊な電動車両です。1950年に運行が始まった当線は、当初「おとぎ線」と呼ばれる遊戯施設であり、762 mmの軌間を持つ軽便鉄道として設計されていました。1952年には地方鉄道法に基づく正式な路線に転換され、名称も「山口線」と変更されました。この新たな運営に伴い、B1形機関車の増備の一環として、B11形が開発されました。

車両の概要

B11形機関車は、合計で5両（11 - 15）が製造されました。このうち、11号機は1951年に中島電気自動車で製造され、12号から15号は西武所沢車両工場で建造されました。これらの機関車は共通して丸みを帯びた凸形のデザインを持ち、前面には三枚の窓が配置されています。前照灯が1つ取り付けられており、通風口が2つ存在します。また、屋根には警笛代わりの鐘も装備されています。

形状は製造時に若干異なり、特に全長が異なります。11号機の全長は5,000 mm、一方で12号から15号は4,880 mmです。これらの後者は、前者と比較して特に丸みを強調したデザインが特徴です。また、11から14号には台車を隠すスカートが取り付けられていましたが、後にこれらは取り外されました。15号については、初めからスカートが装着されることはありませんでした。

技術的特性

この機関車は、主にSKS15形モーターを2基備えており、ユアサバッテリー製の80Vバッテリーを2基使用して稼働していました。山口線は後に案内軌条式鉄道となる計画が進み、1984年5月14日には営業が休止され、翌日全車が廃車となりました。

撤退後の運命

運行が終了した後、11、12、14号は解体されましたが、13号と15号は大井川鉄道に譲渡されました。しかしながら、大井川鉄道には762 mmゲージの路線が無く、これらの車両は結局運用されることはありませんでした。945両で運用されることなく、千頭駅構内や崎平駅に放置されてしまいました。これは、遊園地の建設が計画されていたためで、運用される予定があったとされています。後には浜松市の宗教団体「ハレルヤコミュニティーチャーチ」に譲渡され、現場では姿を見ることができましたが、塗装が変更されるなどしていました。

旧山口線の客車（22号車）を牽引する姿も時折見かけられましたが、しだいに放置状態に陥りました。2023年には関水金属が13号と15号、22号客車を引き取り、登場当初の姿に復元しました。その後、13号と客車は埼玉県の「KATO Railway Park」で動態保存される計画が進められています。また、15号は西武リアルティソリューションズに再譲渡され、所沢で整備される予定です。

このように西武B11形蓄電池機関車は、その運用期間が短かったにも関わらず、歴史に残るユニークな存在でした。

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