案内軌条式鉄道

案内軌条式鉄道（あんないきじょうしきてつどう）

案内軌条式鉄道は、特定の案内軌条にガイド輪をあてがい、ゴムタイヤで走行する交通手段です。この鉄道は、法律上「鉄道」及び「軌道」の一種に分類され、特に日本においては鉄道事業法および軌道法に基づいてその位置付けが定められています。従来の鉄道とは異なる特性を持つこのシステムは、急勾配や急な加減速に対しても高い対応力を発揮します。

種類の概要

案内軌条式鉄道にはいくつかの異なるタイプがあり、それぞれ異なる電源供給方法や構造を持っています。以下に代表的な種類を示します。

1. 片側壁給電タイプ - 専用軌道の両側に案内軌条が配置され、片側の側壁から給電を受けます。例として、広島高速交通広島新交通1号線（AGT）やVALといったシステムがあります。
2. 下部給電タイプ - 専用軌道の中央に案内軌条があり、下から電力を供給するシステムです。山万ユーカリが丘線のVONAなどが該当します。
3. 架線給電タイプ - 鋪装道路に一本の案内軌条が埋め込まれ、路面電車やトロリーバスのように架線から電力を得ます。トランスロールやTVRがこのタイプに含まれます。
4. 側方給電タイプ - 専用の中央案内軌条があり、側方から電力が供給されるシステムです。札幌市営地下鉄南北線がこの例です。
5. 通常鉄道と併用 - 金属車輪とゴムタイヤを同轴で装備し、通常の鉄道のような二本の金属レールを持ちながら、ガイドウェイバスのような副案内軌条も備えています。これは、パリ地下鉄のいくつかの路線（1号線・4号線・6号線・11号線・14号線）がその典型です。
6. ガイドウェイバス - 専用道の両側に案内軌条が設置され、案内輪を持つバスが自動操舵運転を行います。このタイプは、案内軌条のない一般道では通常のバスとして運行されます。

特徴と利点

案内軌条式鉄道の特筆すべき特徴は、ゴムタイヤを使用することにより発生する摩擦力の高さです。これは、急勾配の線路や急加速時の運行において特に有用であり、安定した走行が可能です。一方で、ゴムタイヤの転がり抵抗は通常の鉄道よりも大きいため、消費するエネルギーが増加するのがデメリットとなります。

また、案内軌条式鉄道は登場当初、振動や騒音が少ないという利点がありましたが、近年では長いレールの普及によって伝統的な鉄道でも振動や騒音が大幅に軽減されています。

関連項目

案内軌条式鉄道は、さまざまな新交通システムと結びついており、以下の項目と関連性があります。これにより、現代の都市交通システムにおける多様性と効率性が強調されています。

• - 新交通システム
• - 自動案内軌条式旅客輸送システム (AGT)
• - 中量軌道輸送システム
• - ゴムタイヤトラム
• - ゴムタイヤ式地下鉄
• - ガイドウェイバス

このように、案内軌条式鉄道は便利で効率的な交通手段として、多くの都市で利用されています。

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