西沢義徴

西沢義徴は、1888年（明治21年）11月21日に生まれ、1967年（昭和42年）7月28日に生涯を閉じました。彼は、日本の外交官として、また台湾総督府の官僚として、その手腕を発揮しました。高知県安芸市出身の西沢は、京都帝国大学法科大学法律科を1913年（大正2年）に卒業後、高等文官試験に合格し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。

初期には、神奈川県属、同理事官として地方行政に携わった後、外務省に入り、外務事務官、大使館三等書記官、二等書記官を歴任しました。その後、安東領事、関東庁事務官、朝鮮総督府事務官として、各地で行政に携わる中で、その経験と知識を積み重ねました。また、福州総領事として中国にも赴任し、国際的な視野を広げました。その後、台湾総督府事務官に転じ、台湾との関わりを深めていきます。

1929年（昭和4年）には、台湾総督府税関長に就任し、その後、台北市尹、高雄州知事として、台湾の行政に重要な役割を果たしました。台北市尹時代には、都市の発展に尽力し、高雄州知事時代には、地域の安定と発展に貢献しました。彼の行政手腕は、当時の台湾において高く評価されました。

1935年（昭和10年）に官僚を退いた後は、台湾合同鳳梨株式会社の常任監査役を務め、実業界でもその能力を発揮しました。戦後には、安芸高等学校東京同窓会長を務め、教育分野にも貢献しました。

西沢義徴の生涯は、日本の官僚制度と台湾の行政史を語る上で欠かせない重要な人物の一人です。彼の多様なキャリアは、日本の近代史における官僚の役割と、台湾における行政の変遷を示す上で貴重な事例を提供しています。彼の業績は、行政官としての卓越した能力と、幅広い分野での活躍を示しており、後世に語り継がれるべきものです。

西沢の業績をまとめた参考文献としては、校友調査会編『帝国大学出身名鑑』（1932年）、人事興信所編『人事興信録 第12版（下）』（1939年）、安芸市史編纂委員会編『安芸市史 概説篇』（1976年）などが挙げられます。これらの文献は、彼の生涯や業績をより深く理解するための資料として、貴重な情報を提供しています。

特に『安芸市史 概説篇』は、彼の出身地である安芸市の歴史と共に、西沢の生涯について詳細に記述しています。これらの資料を通じて、西沢義徴の足跡を辿ることができ、彼の業績や人となりについて深く知ることが出来ます。

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