西浜駅

西浜駅：赤穂線の貨物輸送を支える拠点

西浜駅は、兵庫県赤穂市折方にある日本貨物鉄道（JR貨物）赤穂線の貨物駅です。赤穂線唯一の貨物駅として、地域の産業を支える重要な役割を担っています。

歴史：信号場から貨物駅へ

西浜駅の起源は1966年10月1日に開設された西浜信号場です。これは、同年9月に操業を開始した住友大阪セメント赤穂工場への専用線分岐点として設置されました。当初は駅ではなく、貨物の取扱いを開始した信号場としての機能でした。その後、1972年6月には三菱電機専用線が通じて輸送の幅が広がり、貨物輸送の重要性を増していきます。そして、1987年3月31日、西浜信号場は駅に昇格し、西浜駅として新たな歴史を刻むことになります。国鉄分割民営化によって、同年4月1日からは日本貨物鉄道（JR貨物）の駅となりました。しかし、1995年3月30日には住友大阪セメント赤穂工場が鉄道輸送を廃止、専用線も姿を消すこととなります。

駅概要：変化と現状

西浜駅周辺では、赤穂線のルート変更が行われています。航空写真から、駅の開業と同時にルート変更が行われたと推測されますが、現在では旧ルートの痕跡は確認できません。

かつて駅北側には広大な構内側線がありましたが、2007年頃からその多くが撤去されました。現在は本線と副本線各1線のみが残っています。残存する線路は本線と接続されておらず、副本線は貨物列車が旅客列車を待避する際のみ使用されます。そのため、線路は錆び付いた状態となっており、使用するには整備が必要です。非電化である上に、枕木と枕木の間に木が生えている箇所もあるなど、現状は厳しい状況です。

一方で、駅西側の天和駅付近からは三菱電機の工場へと延びる専用線が現在も存続しており、工場で製造された変圧器などの輸送に使われています。大物車を使用した特大貨物輸送列車が不定期に運行されているのも特徴です。

駅周辺：工場地帯の中枢

西浜駅周辺には、赤穂港、住友大阪セメント赤穂工場（旧専用線廃止）、カンペ赤穂（関西ペイント子会社の塗料工場）、三菱電機系統変電システム製作所・電力システム製作所など、多くの工場が立地しています。これらの工場の物流を支える重要な拠点となっています。

隣の駅

まとめ

西浜駅は、赤穂線の貨物輸送を支える重要な役割を担ってきた駅です。歴史的変遷や現状の課題、そして周辺の産業との関わりを理解することで、その重要性を改めて認識することができます。現在も三菱電機への専用線輸送など、重要な役割を担っており、今後も赤穂地域の産業発展に貢献していくことが期待されます。

もう一度検索