西遊記 (1993年のテレビドラマ)

西遊記ドラマ (1993年)

『西遊記』は、1993年3月28日に日本テレビで放送された劇的なドラマで、同局の開局40周年記念として制作されました。この作品は、国際放映が製作した堺正章のシリーズのリメイクであり、堺版と同様に三蔵法師を女性が演じています。特にこのドラマは、宮沢りえが破局後に初めて出演したドラマとしても注目を集めました。

この作品の製作元が国際放映から松竹に変更され、撮影方式もフィルムからビデオに転換されました。放送時間は日曜日の20:02から22:54までであり、同日に放送予定だった他の番組は休止されました。視聴率は関東地区で26.9%を記録し、瞬間最高視聴率は33.9%に達しました。この好評を受けて、翌年には唐沢寿明と牧瀬里穂が主役の連続ドラマ『西遊記』が制作されています。

キャラクターと設定

このドラマでは、旧シリーズが三蔵法師を美男子として描いていたのに対して、今作では美しい男性の姿で、さらには孫悟空の初恋の少女に似ているという設定が追加されています。このため、登場人物たちの関係性にも新たな変化が見られ、猪八戒が三蔵を誘惑しようとするシーンも存在します。

また、悟空、八戒、悟浄というキャラクターは、元々は人間であったが、それぞれの誘惑によって妖怪の姿に変わってしまったという背景が設定されています。孫悟空は神通力を持ちながらも高慢さ故に猿の姿に、猪八戒は村長として村を滅ぼした結果豚の妖怪に変わり、沙悟浄は夢を失ったエリート学生が殺人を重ねた結果として河童の姿になったという具合です。

ドラマの中での主要な敵は金角大王で、旧作とは異なり、この作品では殺生を禁じる三蔵の信条に基づき、金角大王とその息子である銀角大王は瓢箪に封印されることで、誰も死なない形で物語が進行します。ただし、三蔵の同行者たちを殺した山賊は、悟空によって討たれることになります。

登場人物とキャスト

• - 孫悟空 - 本木雅弘

彼は三蔵法師の一番弟子で、元は人間の若者でした。知恵と様々な術を習得し、高慢さゆえに猿の姿となった悟空は、三蔵に遇うことで旅に同行することになります。義侠心に富み、三蔵を常に気にかける存在です。

• - 玄奘三蔵法師 - 宮沢りえ

太宗皇帝の信任を得た僧侶で、観世音菩薩のお告げに従い天竺への取経の旅を決意します。妖怪の姿を見破る力を持ちつつ、無殺生の信条を持つ美しい三蔵法師です。

• - 猪八戒 - 河原さぶ

かつて村の村長だった彼は、自身の欲望から村を滅ぼし、豚の姿に変わってしまいました。女好きの性格は変わらず、ユーモラスなキャラクターとして描かれています。

• - 沙悟浄 - 嶋田久作

エリート学生から河童の妖怪に変貌した彼は、穏やかな性格で、三蔵の弟子となります。

この他にも観世音菩薩や金角大王、銀角大王などのキャストが存在し、参照することで作品全体の魅力が伝わることでしょう。

スタッフ

本作品の監督は和泉聖治で、脚本を担当したのは柴英三郎です。音楽は寺田十三夫が手がけ、主題歌にはB'zの「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」が起用されています。特撮や特殊メイクも工夫され、視覚的に楽しませる要素が盛り込まれていました。

この『西遊記』は、旧作とは異なる新たな視点で物語が展開され、多くの視聴者に愛された作品となりました。

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