西遊記 (1978年のテレビドラマ)

テレビドラマ『西遊記』の概要

『西遊記』は、1978年から1980年にかけて日本テレビで放送された特撮テレビドラマです。全体で2シリーズに分かれ、第一作目は1978年10月から1979年4月まで、第二作目は1979年11月から1980年5月まで放送されました。各シリーズはそれぞれ異なる制作チームが関わり、特に第一作は円谷プロダクション、第二作は東宝映像が特撮を担当しました。

物語の背景

このドラマは、古典的な中国の小説『西遊記』を元にしています。物語は、石から生まれた猿の孫悟空の誕生から始まり、天界からの追放、僧侶の三蔵法師や他の仲間との出会いを経て、天竺へのお経を取りに行く冒険を描いています。途中で遭遇する数々の厄難や戦いを通じて、三蔵法師一行の絆や成長が伝えられます。放送時間は両シリーズともに毎週日曜午後8時からで、視聴者の心を掴む軽妙な掛け合いや、キャラクターの個性が大変人気となりました。

キャストとキャラクター

キャラクターは、短気だが心優しい孫悟空を堺正章が演じ、三蔵法師役には夏目雅子が抜擢されました。この作品では、通常男性として描かれる三蔵法師を女性の夏目雅子が演じることで新しい視点が生まれ、以降のリメイクでも女優が演じることが多くなりました。さらに、悟浄役の岸部シロー、八戒役の西田敏行も魅力的なキャラクターを創り上げ、彼らの掛け合いは多くの視聴者を惹きつけました。

特撮と音楽

特撮技術も作品の大きな魅力の一つです。初日のオープニングでの孫悟空の誕生シーンは、撮影に2ヶ月をかけるほどの手間がかかっています。また、音楽はゴダイゴが手掛け、オープニングテーマの「Monkey Magic」は今も多くの人に親しまれています。

海外での反響

このドラマは日本国内だけでなく、海外でも高い人気を誇りました。1979年にはイギリスのBBCで英語吹き替え版が放送され、多くの子供たちの支持を得ました。特にこのバージョンでは、登場人物の名前が変更され（孫悟空がモンキー、三蔵法師はトリピタカ）、英語圏での成功にもつながりました。アフレコに参加した声優陣も個性的で、今でも語り草となっています。

制作の裏話

制作後のエピソードも含め、多くの面白い裏話があります。夏目雅子の役が決まった際、記者会見では彼女の断髪式が行われる予定でしたが、実際には髪を切ることなく帽子やカツラを使ったことが知られています。また、出演者同士の仲の良さや、撮影中の様子も多くのエピソードが伝わっています。特に、堺正章と他の男性キャストが夏目雅子のことで切磋琢磨していたと語られるエピソードは非常に興味深いです。

放送の歴史

続編の『西遊記II』は、1979年の第一作の人気を受けて制作され、猪八戒の役が左とん平に変更されるなど、新たな風味を持った作品となりました。この続編は、さらなる冒険と友愛の物語を引き続き追求し、視聴率も高評価でした。しかし、この頃の視聴率は『西遊記』ほどではなく、約16.5パーセントでした。

今日の『西遊記』

放送から数十年が経過した今でも、『西遊記』は多くの視聴者に愛され続けています。作品のテーマやキャラクターの魅力は、時代を超えて新しい世代にも受け継がれ、様々なメディアでリメイクや舞台化が行われています。特に、2023年には日本テレビ開局70年記念として舞台としての再演も予定されています。

このように、『西遊記』はただのドラマを超え、日本の文化やエンターテインメントに大きな影響を与えた作品として記憶されています。

もう一度検索