西部方面航空隊

西部方面航空隊について

西部方面航空隊（JGSDF Western Army Aviation Group）は、陸上自衛隊西部方面隊に所属する航空科部隊です。熊本県上益城郡益城町にある高遊原分屯地に司令部を置き、管内の航空作戦を担っています。

主な任務

西部方面航空隊は、AH-64戦闘ヘリコプターを主力とし、以下の様な多様な任務を遂行します。

戦闘任務: 戦闘ヘリコプターによる対戦車戦闘や地上部隊への火力支援
航空偵察: 広範囲な偵察活動による情報収集
空中機動: 部隊や物資を迅速に輸送
航空輸送: 人員や物資の輸送
指揮連絡: 各部隊との連携を円滑にするための通信や連絡

部隊配置

部隊の拠点は主に二か所に分かれており、司令部のある高遊原分屯地と、実働部隊の主力である目達原駐屯地です。また、飛行場運用を担う管制気象隊は、管内各地の飛行場に配置されています。

歴史

西部方面航空隊は、1956年（昭和31年）に小月駐屯地で新編されました。その後、部隊の改編や移駐を重ね、現在の体制に至っています。以下に主な沿革をまとめます。

1956年：小月駐屯地に西部方面航空隊が新編。
1957年：第310航空整備中隊を新編、小月駐屯地から託麻原分屯地に移駐。
1962年：部隊改編により、西部方面航空隊本部及び第8飛行隊を新編。西部方面航空隊が西部方面飛行隊に改編、第4管区隊第4航空隊が第4飛行隊に改編され隷下に編合。
1964年：第310航空整備中隊が第310航空野整備隊に改編。
1968年：西部方面ヘリコプター隊を目達原駐屯地に新編。
1971年：熊本空港移転に伴い、託麻原分屯地が廃止。高遊原分屯地が開設され、西部方面航空隊が移駐。
1978年：西部方面ヘリコプター隊に第3飛行隊が新編され、KV-107IIが配備。
1990年：第3対戦車ヘリコプター隊を新編。
1994年：第4飛行隊が第4師団隷下に、第8飛行隊が第8師団隷下に編入。西部方面飛行隊を西部方面航空隊本部付隊に改編。
2002年：西部方面ヘリコプター隊第3飛行隊のKV-107IIA-4がラストフライト。
2010年：第3対戦車ヘリコプター隊にAH-64Dが配備。
2018年：第3対戦車ヘリコプター隊のAH-64Dが墜落事故を起こす。
2020年：第109飛行隊が新編。
2021年：第3対戦車ヘリコプター隊のAH-1Sがラストフライト。同部隊が第1戦闘ヘリコプター隊に改編。
2024年：西部方面ヘリコプター隊第2飛行隊にUH-2が配備。

部隊編成

西部方面航空隊は、以下の部隊で構成されています。

西部方面航空隊本部: 部隊全体の指揮を執る中枢。
西部方面航空隊本部付隊: LR-2を装備し、連絡や情報収集を行う。
第1戦闘ヘリコプター隊: 目達原駐屯地に所在し、AH-64Dを装備する戦闘ヘリコプター部隊。
第1戦闘ヘリコプター隊本部
第1戦闘ヘリコプター隊本部付隊：OH-1を装備。
第1飛行隊：AH-64Dを装備。
第2飛行隊：AH-64Dを装備。
西部方面ヘリコプター隊: 目達原駐屯地に所在し、多用途ヘリコプターを運用する部隊。
西部方面ヘリコプター隊本部
西部方面ヘリコプター隊本部付隊：OH-1を装備。
第1飛行隊：UH-60JAを装備。
第2飛行隊：UH-1J、UH-2を装備。
第3飛行隊：CH-47JAを装備。
西部方面管制気象隊: 管内の飛行場における管制業務と気象観測を担当。
西部方面管制気象隊本部
基地隊
第1派遣隊：目達原駐屯地に所在。
西部方面航空野整備隊: 航空機の整備、補給を担う後方支援部隊。
西部方面航空野整備隊本部
整備隊
補給隊

主要装備

西部方面航空隊は、以下の様な装備を運用しています。

AH-64D アパッチ・ロングボウ：戦闘ヘリコプター
UH-60JA ブラックホーク：多用途ヘリコプター
UH-1J/UH-2：多用途ヘリコプター
CH-47JA チヌーク：輸送ヘリコプター
OH-1：観測ヘリコプター
LR-2：連絡偵察機

過去の装備

64式7.62mm小銃
AH-1S コブラ：対戦車ヘリコプター

廃止（改編）部隊

第310航空野整備隊：西部方面航空野整備隊に称号変更。
西部方面飛行隊：西部方面航空隊本部付隊に改編。
第3対戦車ヘリコプター隊：第1戦闘ヘリコプター隊に称号変更。

まとめ

西部方面航空隊は、西部方面隊の航空戦力を担う重要な部隊です。高度な操縦技術を持つ隊員たちが、各種ヘリコプターを駆使し、日本の防衛に貢献しています。

外部リンク

西部方面ヘリコプター隊
目達原駐屯地

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