西野義和

「西野 義和」（にしの よしかず）は、1951年9月6日に生まれ、かつて朝日放送（ABC）でアナウンサーとして活躍した人物です。新潟県高田市（現在のN市）で誕生し、その後大阪府茨木市で青春時代を過ごしました。大阪府立春日丘高等学校を経て、立命館大学産業社会学部を卒業後、1975年にABCに入社します。

入社直後から、西野氏は得意分野であるスポーツ中継の実況を精力的に手掛けました。特に競馬や野球中継では、その熱のこもった語り口で視聴者や聴取者を引きつけました。彼のキャリアにおいて特筆すべき出来事の一つに、1988年10月19日に開催されたプロ野球パ・リーグのロッテ対近鉄のダブルヘッダーがあります。この「10.19」として語り継がれる熱戦のうち、ABCテレビでの第1試合の実況を担当し、歴史的な瞬間に立ち会いました。

スポーツ実況で実績を重ねる一方、西野氏は幅広いジャンルの番組にも挑戦しました。入社4年目の1978年10月からは、深夜の人気ラジオ番組『ABCヤングリクエスト』で初のレギュラーパーソナリティを務め、若者文化の最前線で活躍。また、ABCテレビでは情報番組『ワイドショー・プラスα』でサブ司会を務め、後継番組の『バラエティワイド こんな時α』ではメイン司会を担当するなど、硬軟織り交ぜた対応力を見せました。

1990年代に入ると、西野氏の活動の中心はスポーツ実況から報道番組へと移っていきます。ABCテレビの朝の情報番組『おはよう朝日です』では、大阪タワーからの生放送から本社スタジオへの移行期にニュースキャスターとして出演し、正確かつ分かりやすいニュース解説で視聴者の信頼を得ました。

2000年には、先輩である林伸一郎氏の異動に伴い、アナウンス部の部長に昇進し、組織運営にも携わることになります。しかし、わずか1年後の2001年11月の人事異動により、アナウンス部を離れ、一時的にアナウンサーとしての活動を休止することとなりました。この異動により、当時担当していたABCラジオのナイターオフ番組『ダンディ・エクスプレス』も途中で降板を余儀なくされ、後任を後輩アナウンサーに託すこととなりました。アナウンス部を離れてからは、報道局の局次長や担当部長などを歴任し、管理職として手腕を発揮しました。

アナウンサー職から離れていた期間中も、ラジオとの関わりは続いていました。2009年11月からは、ABCラジオの深夜番組『Club JONR』に、ABCOBアナウンサーの一人として週替わりで出演。この番組出演期間中の2010年4月、新たな転機が訪れます。同年3月27日の『Club JONR』出演時に、アナウンス部の名称が変更されたアナウンスセンターの初代センター長に就任することを発表し、実際に就任。これにより再びアナウンス業務も兼任することとなりました。

長年にわたりABCの顔として、また組織の要として貢献してきた西野氏は、2012年3月をもって定年により退職しました。

西野氏の人物像を見ると、学生時代から明確な目標を持っていました。アルバイトで競輪実況を務めるなど、早くからスポーツアナウンサーを目指していたと言われています。また、多趣味な一面も持ち合わせており、プライベートではオーディオ機器に深く精通し、音楽鑑賞をこよなく愛する音楽ファンとしても知られています。自宅の庭で芝生の手入れを丹念に行うほどの園芸愛好家である一方、ゴルフも得意とするなど、活動的な趣味も楽しんでいます。

このように、西野 義和氏は、スポーツ実況から始まり、バラエティ、報道、そして組織のマネジメントに至るまで、朝日放送において多岐にわたる役割を果たした経験豊かなアナウンサーであり、また優れた管理者でもありました。その幅広い活動は、長くABCの歴史に刻まれています。

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