西鉄大牟田線の貨物用電車

西鉄大牟田線の貨物用電車

西日本鉄道（通称：西鉄）の大牟田線・太宰府線・甘木線では、旅客輸送に加えて貨物輸送も行われていました。この背景から、1924年の開業時に貨物輸送用の電動貨車が新たに製造され、貨物輸送の業務に役立てられました。1963年には大牟田線での貨物輸送が終了しましたが、その後も救援車や保守・点検用の作業車などとして利用されました。

モワ800形

• - 801 - 802

木造の有蓋電動貨車で、両端には運転室が配置されています。側面には通風および明り取り用の窓がありましたが、後に塞がれました。中央部には2,200mm幅の両開き引き戸が設置されており、積み下ろしに便利でした。これらの車両は九州鉄道の開業時に製造され、経年による改番を経て使用されました。1948年の三井線昇圧後は甘木線でも貨物輸送に使われ、その後は保守用の車両として活用されましたが、1979年に廃車となりました。

• - 803 - 804

801・802と同様の木造有蓋電動貨車で、特徴的なのは扉の開き方が内開きに変わっている点です。1942年に製造され、こちらも1948年からは甘木線での使用が始まりました。貨物輸送廃止後は保守用車両として活用され、803は1995年に救援車としての役割に変更されました。最終的に2004年には廃車となりました。

モーター車と救援車

• - 811

300形のモ301を1979年に改造した車両で、救援車として機能しています。中央には両開き式の扉が新設され、運転台も両側に備えています。電動貨車扱いですが、貨物輸送には使われなかったため、貨物としての役割は果たされませんでした。1995年に救援車として活用が始まりましたが、2004年に廃車となります。

モト900形

• - 901・902

モワ801・802と同じく東洋車輌で製造された木造の無蓋電動貨車で、初期には別の番号が付けられていました。両端に運転室があり、やぐらの上にパンタグラフを設置しています。保守用としても使用され、1977年には列車無線が取り付けられましたが、1985年に廃車となりました。

• - 911・912

1977年にはダンプ式の砂利運搬用電動貨車として改造されました。この車両は2両連結の固定編成で、砂利を効率よく運搬するために設計されています。しかし1989年に廃車となりました。

結論

西鉄大牟田線の貨物用電車には、時代を超えた利用価値があったことが窺えます。貨物輸送の終焉後もさまざまな事業用車両として活用され続け、地域の運行に貢献してきました。これらの電動貨車は、ただの輸送手段ではなく、鉄道の歴史を物語る重要な存在とも言えるでしょう。

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